十二代中里太郎右衛門・唐津作品集/定価48000円・限定1450部/十二代太郎右衛門は日本陶磁史上で最も名誉ある伝統の一つを保持している

十二代中里太郎右衛門・唐津作品集/定価48000円・限定1450部/十二代太郎右衛門は日本陶磁史上で最も名誉ある伝統の一つを保持している 收藏

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十二代中里太郎右衛門・唐津作品集/定価48000円・限定1450部/十二代太郎右衛門は日本陶磁史上で最も名誉ある伝統の一つを保持している

商品説明



昭和50年 サイズ:33×26.5×4cm 定価48000円 限定1450部 中川一政題字。部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。


十二代中里太郎右衛門
ジョン
A ポープ
中里家の十二代太郎右衛門は、日本陶磁史上で最も名誉ある伝統の一つを保持している。
今日唐津と称するやきものが、一体いつ頃からはじめられたかについては明らかでないが、なかには文禄元年 (一五九二)の年号を有する唐津焼がある。十六世紀末に太閤秀吉が明国征伐のため朝鮮へ兵を進めた折に、多 勢の朝鮮陶工が日本にやってきた。文禄元年から慶長三年(一五九八)の太閤の死にいたるまで続いたこの軍事 的侵略は「陶器戦争」として有名である。というのは、戦争の結果、北及び西九州、山口県、それに日本海をへだ てて朝鮮半島に面する本州の各地方に朝鮮陶工が到来したからである。これら朝鮮陶工は捕虜又は奴隷として日 本に到来したのだとしばしば言われているが、彼らのうちの大部分は明らかに自分たちの自由意思で来日したの であり、戦争で荒廃した生まれ故郷から幸運にも脱出してきた者もあった。おのれの藩内で陶器を焼造せんもの と渇望する地方大名によって、彼らは保護され、面倒を見てもらった。寺沢広高は秀吉から唐津地方を与えられ たので、慶長十三年に松浦川が玄海に注ぐ地を見おろす小高い丘に、はじめて唐津城を築いた。寺沢広高につい てきて唐津で窯を築いた朝鮮陶工たちは、数年後には寺沢藩御用焼物師となった。寺沢氏自身が利久門下の茶人 であり、太閤に従って九州まで下っていた大茶人古田織部正重然の同朋であったことを考えると、藩御用の窯が できるのは当然のことであった(寺沢広高は慶長三年、朝鮮固城の守備隊長であった)。
唐津焼が初めて文書に記録されたのは慶長八年のことのようで、このときに古田織部が唐津焼を茶会で使った ことが、彼の会記に載っている。しかし、このことは、古田織部が唐津の町で焼成されたやきものに言及したこ とを意味するものではない。なぜならば、この時代には佐賀県の西北部の諸地方で多くの陶工たちが働いていた し、彼らが焼成したものはすべて唐津焼と言われていたからである。「いまり」が肥前磁器全般をさし、「せとも の」が愛知県で生産される陶器をさす名前であるごとく、「からつ」は今日ですら一般的に肥前産の炻器全般を さす名称である。

前述のわずかな史的考察は、「陶器戦争」やその後につづく十年ないし数年間に、この地方でおきた非常に複 雑な出来事をきわめて簡単にまとめたものである。歴史的事実の解明を待つ多くの事柄が不明なままに残ってい るので、陶磁史家や政治史家は主題についてなお研究中である。
さて、われわれの関心は唐津焼の舞台に、いつ中里の名が出現するかにかかっている。われわれは言伝えや伝 説にも触れてゆかざるを得ない。中里の名の初見は、既に唐津で最初の寺沢藩御用焼物師となった福本弥作が、 現在の伊万里市の近くで新しい窯を築いた際に、中里又七が、 福本の窯に加わったということにある。この頃は きわめて積極的な時代で、彼らは数年後に他の場所へ移動し、二十年間に三つの窯を新しい土地に開いたのである


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