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开始时间：02/08/2025 22:08:34

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昭和６２年（1987）に、児童書籍で定評のある

ポプラ社から出版された落語家・春風亭柳昇の直

筆サイン本『ボクはおとなには負けないぞ』であ

る。のびのび人生論シリーズ２９巻にあたる。

本書は、ネットの「日本の古本屋」でも、アマ

ゾンのユーズドでも皆無の激レア商品である。若

者雑誌の記者時代、編集部の近くにある神田神保

町の古書店・みわ書房（児童書専門）で入手し、

ハマの落語会の楽屋で、直筆サインを頂戴したも

のだ・・・。

帯には「しあわせって、なんだっけ！！物が

あふれている時代。いったい、豊かさってなんだ

ろう。著者の生き方とともに考える」と綴られて

ある。著者自らはこう語る。

「子供の頃のことは、本当に懐かしいものだ。そ

して、じっと目を閉じていると、草ぶき家根の大

きな家。その中で、生活していた幼年時代のこと

が、ほんの昨日のことのように思い出される。そ

の後、私の身辺に繰り広げられる、さまざまな出

来事。それらを思い出して書いていると、自然に

涙が出て困ったこともあった。でも自分ひとりが

勝手に泣いたり、喜んだりして書いても，読んで

下さる方はどう思うでしょう。とにかく、私の少

年時代はこんなものでした・・・。」

さて、令和の今日せ、凶悪犯罪や悪質な詐欺が

多発し、少年非行や登校拒否が増え、陰湿なイジ

メやネットでの炎上に苛まれている。物があふれ

ても精神は貧困。ネット社会やスマホが普及して

も、社会は新たな難問に直面している。本書を読

み、著者の誠実な生き方に触れると、いったい心

の豊かさとは何なのか切実に考えさせられる。

【春風亭柳昇】（１９２０～２００３）

御存じ、『笑点』で著名な昇太の師匠が春風亭

柳昇である。昭和戦後から平成にかけて活躍した

落語家だ。東京の寄席では軽く５０回以上、学生

時代からその芸を堪能している。が、忘れられな

いのは、実家・横浜での一期一会だ。

平成７年３月２４日、第９２回県民ホール寄席

「春風亭柳昇独演会」では、「カラオケ病院」と

「里帰り」の２席、さらに、十八番のトロンボー

ン演奏のオマケもたっぷり。なにせ寄席では１５

分から２０分程度、トリでも３０分しか演じられ

ないが、この日は２時間以上もガッツリと・・・。

そうそう、現・柳好（当時は柳八）が前座を務め

たので彼の記憶にあるはずだ。

それから４年後（1999）の夏、第１３５回県民

ホール寄席「春風亭柳昇・昇太親子会」も心に深

く刻まれた。この日、昇太は「ストレスの海」と

「宴会の花道」とド派手に熱演した。柳昇は「す

きやき」と、前回大絶賛だった「カラオケ病院」

をハマのファンのリクエストで今一度大熱演した。

三度目の会は、師匠が８０歳を超えて実現せず鬼

籍の人となった・・・。

柳昇は、大正９年１０月１８日生まれ、東京育

ち。本名は秋本安雄、役者の名前にしてもよい。

横川電気へ入社し吹奏楽部に入る。そこでトロン

ボーンを覚えた。時は流れ、昭和２０年３月２５

日、上海沖で貨物船警備中に米軍戦闘機と交戦し

負傷。病院を転々し北京陸軍病院で終戦を迎える。

戦時中の話は、著書『与太郎戦記』や『陸軍落語

兵』を読むとよく理解できる。

昭和２１年、戦友の父、六代目春風亭柳橋に入

門し柳之助を名乗る。同２４年に三代目春風亭柳

昇を襲名し二つ目となる。同３３年柳昇のままで

真打となる。林鳴平の筆名で、数多くの新作落語

を発表し、言論笑現の自由の矜持を体現した。著

書の兵隊体験は映画化され評判をよんた。落語芸

術協会理事長,日本演芸家連合会長。平成１５年６

月１６日に逝去、８２歳であった・・・。

【目次】

・はじめに

●「スズメの声でおこされて」

●「引っ越し」

●「妹と姉」

●「姉きと子のこと」

●「ボクは小学１年生」

●「子守少年」

●「苦はねってまてと父はいうが」

●「父のお腹にキツネがはいった」

●「母の笑顔は菩薩のように」

・あとがき

・装丁・挿絵知吹愛弓

・デザイン・堀木一馬

【本の状態と発送に関して】

今から５０年近く前の本としては「良品」の

部類である。初版・帯付でカバー等はキレイだ

が、背ヤケで、カバー表裏よりも薄白くなって

いる部分がある。天・地・小口に経年の感が漂

う。しかし、２８年前に楽屋で頂戴した肉筆の

署名はお見事で輝いて見える。発送は本が痛

まないように宅急便コンパクトで当方が負担い

たします！

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