大型図録本 洋画と日本画 近代の美術2 明治後期から大正の日本美術 洋画日本画近代彫刻の傑作
講談社
1992年 初版
249ページ
約38 x 27.5 x 4 cm
化粧函入 ハードカバー 大型本
カラー・モノクロ
※絶版
※別刷の月報付
縄文・弥生時代から昭和まで「美の神髄」をたずねる悠久の旅―講談社創業八十周年記念出版 日本美術全集のうちの一冊。
編集=高階秀爾 田中日佐夫 陰里鉄郎
西欧の影響と伝統の復活。百花繚乱の「美術」の誕生
ヨーロッパ帰りの気鋭の画家によって新風がもたらされた洋画と、東西の巨匠や若手らが美を競った日本画。これに近代彫刻の傑作を加え、明治後期から大正の日本美術を再現する。
カラー写真図版130図、モノクロ写真図版185図。さらに論考テキストにも参考挿図図版多数収録。
特にカラー写真図版は大型本のため、細部に至るまで再現度の高いもので、アナログ写真時代の頂点を極めた時代の、モニター画面では表現しきれない高品質なプリントです。
詳細な作品解説、当時最高峰の専門家執筆陣による論考テキストなど、見応え読み応えのある内容充実の大型図録本。
編集顧問 前川誠郎
編集委員 大河直躬
小林忠
鈴木嘉吉
高階秀爾
辻惟雄
戸田禎佑
中野政樹
平田寛
水野敬三郎
撮影 講談社写真部・他
装幀 田中一光
【目次】
カラー図版
単色図版
ヴィジョンの変革と深化 明治後期やら大正の洋画 陰里鉄郎
天才を出現させた時代 明治後期から大正の日本画 田中日佐夫
上村松園と女流画家の系譜 塩川京子
ジャポニスムの里帰り 高階秀爾
人物赤裸画から裸体画へ 陰里鉄郎
西洋人の眼が見た洋画と日本画 トマス・ライマー
モニュメントの創出 彫刻の近代化と銅像 北澤憲昭
図版解説
年表
英文リスト LIST OF PLATES
巻末特集・日本美術の技法-日本画の制作 林功
【凡例】
一 本巻では、明治三十年代から大正期までの絵画と彫刻を扱った。ただし、同一作者のものについては、一部、昭和初期の作品も含まれている。
また大正期の前衛絵画や創作版画などは、第23巻「モダニズムと伝統」で扱った。
ニ カラー図版ページは、大きく「洋画」と「日本画」と「彫刻」に分けた。洋画については、「外光派と世紀末」「交錯するアカデミズム」「自由な表現を求めて」「飛翔する魂-夭折の天才」の四部に分けて構成し、「作家と自画像」「水彩画の世界」を小章として挿入した。日本画については、「院展・官展の巨匠」「生きぬいた女たちの肖像」「伝統復活の時代」「大正デモクラシーのもとで」の四部に分けて構成し、「燃焼する個性」「日本画と桜」を小章として挿入した。彫刻については、「新しい造形への挑戦」としてまとめた。
三 図版説明(キャプション)は。図版番号、作品名、作者名、国指定、制作年、材質技法、寸法、所蔵者と所在都道府県名の順に記載した。
四 作品名は、従来の一般的な名称によったが、一部に編者・執筆者・所蔵者の見解によったものがある。
五 作品名。地名、人名など固有名詞の読み方は通説とされるものによったが、異説のあるものは執筆者の見解に従った。
六 本巻に収録した図版が論文・図版解説中に記述された場合、カラー図版は「第○図」、単色図版は「単色○」、論文中の挿図は「挿図○」と適宜記した。
七 江戸時代後期から明治三十年代までの絵画・彫刻・工芸・洋風建築については、第21巻「江戸から明治へ」で、明治三十年代以降の建築とデザインについては、第24巻「建築とデザイン」で扱った。あわせて参照していただきたい。
【カラー図版目録】
外光派と世紀末
読書 黒田清輝
菊花と西洋婦人 黒田清輝
舞妓 黒田清輝
湖畔 黒田清輝
智・感・情 黒田清輝
樹蔭 黒田清輝
梅林 黒田清輝
天平の面影 藤島武二
芳惠 藤島武二
黒扇 藤島武二
糸杉 藤島武二
旭日照六合 藤島武二
秋景下図 久米桂一郎
こだま 和田英作
萩 岡田三郎助
あやめの衣 岡田三郎助
交錯するアカデミズム
ノルマンディーの浜 鹿子木孟郎
津の停車場(春子)鹿子木孟郎
軍人の妻 満谷国四郎
裸婦立像 中村不折
裸婦 原撫松
美人読詩 石橋和訓
窓際 山下新太郎
鬼 有島生馬
東京大学安田講堂内壁画 湧泉 小杉未醒
自由な表現を求めて
裸体美人 萬鉄五郎
もたれて立つ人 萬鉄五郎
木の間風景 萬鉄五郎
枯れた花の静物 萬鉄五郎
地球儀のある静物 小出楢重
支那寝台の裸女 小出楢重
道路と土手と塀(切通之写生)岸田劉生
壺の上に林檎が載って在る 岸田劉生
麗子微笑(青果持テル)岸田劉生
長野風景 河野通勢
パンの会 木村荘八
飛翔する魂 夭折の天才
わだつみのいろこの宮 青木繁
海の幸 青木繁
黄泉比良坂 青木繁
バラと少女 村山槐多
裸婦 村山槐多
信仰の悲しみ 関根正二
三星 関根正二
女 中村彝
エロシェンコ氏の像 中村彝
作家と自画像
ベレー帽の自画像 黒田清輝
自画像 青木繁
赤い目の自画像 萬鉄五郎
Nの家族 小出楢重
自画像 岸田劉生
自画像 村山槐多
自画像 関根正二
自画像 中村彝
水彩画の世界
雨後のノートルダム 三宅克己
秋谷の漁村 大下藤次郎
風呂のこわれ(トルコ風呂)石井柏亭
院展・官展の巨匠
屈原 横山大観
游刃有余地 横山大観
生々流転 横山大観
夜桜 横山大観
王昭君 菱田春草
落葉 菱田春草
木の間の秋 下村観山
弱法師 下村観山
阿房劫火 木村武山
大仏開眼 寺崎広業
行く春 川合玉堂
ロッキ山の雪 山元春芋
山上楽園 山元春挙
虎・獅子図 竹内栖鳳
河口 竹内栖鳳
斑猫 竹内栖鳳
絵になる最初 竹内栖鳳
生きぬいた女たちの肖像
娘深雪 上村松園
焔 上村松園
夕暮 上村松園
宴の暇 池田蕉園
老妓 梶原緋佐子
つづきもの 伊藤小坡
伝統復活の時代
大江捕魚図 富岡鉄斎
教祖渡海図 富岡鉄斎
梅花書屋図 富岡鉄斎
長江鵜船 冨田渓仙
狐隊行 小川芋銭
水魅戯 小川芋銭
堅田の一休 平福百穂
荒磯 平福百穂
伊香保の沼 松岡映丘
にごりえ 鏑木清方
註文帖 鏑木清方
築地明石町 鏑木清方
三遊亭円朝像 鏑木清方
大正デモクラシーのもとで
熱国之巻 朝之巻 今村紫紅
熱国之巻 夕之巻 今村紫紅
洛北修学院村 速水御舟
炎舞 速水御舟
湯女 土田麦僊
島二作 小野竹喬
臨海の村 入江波光
日高河清姫図 村上華岳
太子樹下禅那之図 村上華岳
山二題 村上華岳
獅子 榊原紫峰
燃焼する個性
黒船屋 竹久夢二
宇吉 玉城末一
淡日さす窓と女 谷角日娑春
口紅 岡本神草
女郎(花骨牌)秦テルヲ
裸婦 甲斐庄楠音
日本画と桜
夜桜 横山大観
春宵花影 松林桂月
桜 菊池契月
小雨ふる吉野 菊池芳文
あけぼの・春の宵 速水御舟
行く春 川合玉堂
大原女 土田麦僊
松藤図一桜花図 富岡鉄斎
新しい造形への挑戦
女 荻原守衛
煌めく嫉妬 戸張孤雁
若きカフカス人 中原悌二郎
ブロンド 藤川勇造
手 高村光太郎
鯰 高村光太郎
転生(吐きだされたる人)平櫛田中
花園に遊ぶ天女 橋本平八
【単色図版凡例】
一 単色図版は、本巻では大きく「洋画」「日本画」「近代彫刻」の三部に分けた。
洋画については、「風俗画」「肖像画」「裸体画」「口マン主義の系譜」「風景画」「静物画」「水彩画・デッサン」の七章に分けて構成した。
日本画については、「風景画」「花鳥画」「歴史画」「風俗画」の四章に分けて構成した。
近代彫刻については、「明治」「大正」「昭和」の三章に分けて構成した。
二 作品は、全図で掲載した。
三 カラー図版で部分図を掲載した作品、また複数あるうちの一部しか掲載しなかった作品は、可能な限り、全図もしくは未掲載図を収録し、カラー図版番号を(第○図)と記した。ただし、編集の都合上、図版解説中に掲載した作品もある。