平成16年(2004)に、小学館から出版された名城を
ゆくシリーズ9号「江戸城」(定価・560円)である。
全ページ・カラーグラビア仕立てとなっている。城の構
造や規模、縄張り、築城秘話、ゆかりの武将の物語等
さまざまな内容は、バラエティに富んでいる。貼付写真
の目次の詳細から御想像して下さい。
【江戸城につて】
御存じ江戸城は、初代の将軍家康から慶喜まで徳川十五
代の居城である。落語家の立川談志は「江戸っ子は千代田
のお城」と呼んでいた。現在の皇居一帯に、天下普請により
築城した巨大な平城である。
平安から鎌倉期にかけて、秩父将常の子孫の江戸氏の
居館であった。室町時代後期、太田道灌が築城し江戸城
と称した。当時は石垣がなく、土塁と三重堀のみであった。
道灌が暗殺された後は、上杉定正が領有し、その家臣・
曾我豊後守が城代となった。戦国時代、北条氏綱に敗れ
落城の憂き目をみた。その後、氏綱が修築し、一時期太田
三楽が奪取したが、その後、再度、小田原の後北条氏の
領有となる。
豊臣秀吉による、小田原城総攻め、北条滅亡後に家康の
領地は関東へ国替えとなる。家康が新たに居城としたのが゛
大庫道潅が建てた江戸城であった。もとより、当時は小規
模な城であったので、少しずつ城の修築拡大はなされた。
本格的な大城郭にすべく大改修工事のは、関ヶ原合戦に
勝利した後である。、江戸幕府は、開幕後に諸大名に命じ
天下普請に着手した。江戸城完成は、三代将軍の家光の
みぎりであった。本丸天守をはじめ、西の丸・三の丸・二の
丸・紅葉山・吹上御苑・代官町を合せた中心部の面積は約
22万3千坪、総面積はおよそ29万であった。
特色は,外郭から内へ内へと入っている螺旋形で、これ
らの線上には各種の城門が配置された。城門は外郭に25
、
内郭に11、城内に87、城橋は内外で30も配備し難攻
不落の防衛の構えであった。さらに櫓・多聞類では、大
天守・小天守が各1三重櫓6・二重櫓10・単層櫓4・多
聞26という豪壮なものだった。
その後,江戸の大火が何度もあり、明暦の大火で焼
失した天守以外は、諸大名の普請工事により完璧に修
復された・・・。
【本書のおもな登場人物】
●徳川家康 ●徳川秀忠 ●徳川家光 ●徳川綱吉
●徳川慶喜 ●徳川忠長 ●天 海 ●金地院崇伝
●本多正信 ●柳生宗矩 ●松平忠直 ●大久保長安
●大田道潅 ●春日局 ●田沼意次 ●井伊直弼
●勝 海舟
【城と城下町・周辺城砦紹介】
●練馬城 ●赤塚城 ●志村城 ●石神井城
●平塚城 ●館山城 ●関宿城 ●世田谷城
●千葉城 ●佐倉城 ●久留里城●国府台城
●大多喜城
【事件・史跡・その他】
●北条氏綱、江戸城を落とす
●天下普請・江戸城建設大プロジエクト
●徳川秀忠の娘(和子)が入内、後水尾天皇の皇后となる。
●寛永の大火・振袖火事により天守焼失
●由井正雪の乱未遂●大奥・絵島生島事件
●桜田門外の変で井伊直弼暗殺
●江戸無血城開城
●田安御門・千鳥ヶ淵 ●小伝馬町牢屋敷跡
●浜離宮 ●小石川後楽園 ●湯島聖堂
本の状態は、表紙と本文頁は比較的キレイだが、裏表紙
に遜色が見受けられる。全体的には「上」の部類である。
あまりに神経質な方は御遠慮して下さい。発送はゆうパケッ
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