平成16年(2004)に、小学館から出版された名城をゆくシリーズ
39号「福知山城 田辺城」(11月16日・定価560円)である。全ペー
ジ・カラーグラビア仕立てとなっている。城の規模、縄張り、築城秘話、
ゆかりの武将の物語などのさまざまな内容は、貼付写真を御覧下さ
い。
※ちなみに、2016年に、約半数の号にしぼって、隔週刊として同シ
リーズで復刊されたが、この「福知山城 田辺城」は除外された!
そのために、本号は稀少価値があり、東京の古本屋でも入手困難
なナンバーの一冊となっている。
【福知山城】
本城は、鎌倉初期の阿波国守護小笠原長清、その末裔である塩
見頼勝が、室町後期に築いた横山城が原である。ちなみに、長清
は源頼朝の挙兵に加わり源義仲を討伐し、奥州藤原氏の征討した
功臣である。 時は流れて戦国乱世のみぎり、天正7年(1579)ちょ
うど本能寺の変の3年前、信長の武将 明智光秀は、丹波国を平定
し横山城を大規模な修築を行い福智山城と改名した。光秀は、藤木
権兵衛と明智光春を城代として入城させた。
運命の天正10年、本能寺の変直後の山崎の戦いで、光秀は羽柴
秀吉敗北し彷徨中に横死した。その後、福智山城は秀吉膝下の城と
なり、秀吉が信長かち頂戴した養子の秀勝が城主となる。秀勝は朝
鮮出兵の折りの負傷の後遺症に苦しみ亡くなる。慶長5年(160
0)の関ヶ原の戦い後、家康に与した有馬豊氏が福智山6万石を与
えられ、入城し初代藩主となる。有馬による城の修築を行われ、
その後、城主となった朽木は、福智山を「福知山」と改めた・・・。
現在は、福知山市(京都)にある。平山城の城郭史跡。本丸は残
っているものの、二の丸以下の郭や城域は開発により失われた。
本丸跡には、石垣や井戸の遺構が残存している。本丸には、二の
丸から移築された銅門や脇番所(多聞櫓)は今も健在だ。さらに、
城門が観瀧寺、正眼寺、法鷲寺、明覚寺、瑞林寺の山門に移築さ
れ往時を偲ぶ
。
【田辺城】
慶長5年(1600)関ヶ原の戦い後、浅野幸長が紀伊国を与
えられた。田辺には、重臣・浅野氏重が入り湊城を築いたが、大
坂の役後の元和元年(1615)の一国一城令の後に、4年後に
この城は陣屋に改築し、かの地は御三家・紀州藩主・初代の徳川
頼宣が入国した。田辺の陣屋は、天守や櫓はなく防御は弱かく、
あくまでも平時のものだ。付家老・安藤直次が差配し、以後、安
藤氏が代々の紀州藩の筆頭家老として居城した。明治維新後に廃
城となり、城は取り壊された。錦水公園一帯が城跡で、田辺城唯
一の遺構の水門が残っている。
【本書のおもな登場人物】
●明智光秀 ●明智光春(秀満) ●浅野幸長 ●浅野氏重
●徳川頼宣 ●安藤直次 ●細川藤孝(幽斎) ●細川忠興
●足利義昭 ●細川ガラシャ●三条西実条 ●小野木重次
●朽木昌綱 ●朽木綱貞 ●松平忠房 ●杉原家次 ●道阿弥
●木下延俊 ●牧野親成
【城と城下町・周辺城砦紹介】
●勝龍寺城 ●亀山城 ●八木城 ●園部城 ●武部山城
●八幡山城 ●宮津城 ●本庄城 ●黒井城 ●柏原陣屋
●氷上城 ●金山城 ●八上城 ●篠山城
【関連キーワード】
●朝廷 ●足利幕府 ●連歌 ●稲葉紀通の乱心
●『火の縄』松本清張
本の状態は、かつて新品購入した個人所蔵の「美本」
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