平成17年(2005)に、歴研が出版した『歴史研究」
4月号である。本号の特集は、日本史の名場面で目次は貼付
写真を御覧下さい。
「勝者は敗者の歴史を塗り替える」とは、司馬遼太郎の言葉
である。逆に庶民大衆は敗者への判官贔屓から願望や美化し
た伝承を作り出す。前者は時の為政者のプロパガンダの策謀
であり、後者は張り扇の講談の勧善懲悪物語となる。
本号には、いわゆる赤穂浪士の討入りとか、新選組の池田
屋騒動、桶狭間や関ヶ原、川中島などの合戦、宮本武蔵と佐
々木小次郎の巌流島勝負などは扱ってはいない。
むしろ、とっておきの名場面に私は感動した。ハナは軍国
主義の嵐の渦中、昭和12年1月、寺内寿一陸軍大臣の国政
介入に猛烈抗議した浜田国松代議士の勇気! 大化の改新の
発端がなんと蹴鞠? 鳥取落城のみぎり、お味方の家臣や領
民を救うために自刃した吉川経家の経家の矜持。豊臣秀頼を
擁護するために、二条城で家康と会見した加藤清正の真相。
死を覚悟の上で出陣した楠木正成の桜井での嫡子・正行との
別れなどバラエティーに富んでいる。本書を熟読して、歴史
の悲喜こもごもの醍醐味を、是非、御堪能して欲しい・・・。
【目次 特集記事】
●「裏切り問答(軍介入抗議)で騒然 第70回帝国議会」加藤卓雄
●「乙巳のクーデターの発端は蹴鞠」 富田誠一
●「鳥取落城と吉川経家の自刃」 田村紘一
●「黒船渡来の意味」杉崎 巌
●「薩摩守・平忠度の歌」 小高正吉
●「加藤清正(秀頼擁護のため)、二条城の(家康)会見」 加藤克己
●「感動するスポーツ名場面(水泳・古橋廣之進)」 米山康彦
●「御存知、名月赤城山(国定忠治)」 境 淳伍
●「楠父子(正成・正行)桜井の別れ」 藤岡豊之
【特集以外の記事】
●「関東足利公方の終末と戦国の女性たち」 中田真之助
●「戦国無情 甲斐の落日」 八巻 実
●「『将門記』に見る裏切り者・丈部子春丸考」 池田勝宣
●「名族・三浦氏滅亡、新井城落城賦」 竹村紘一
●「『吾妻鏡』にみる北条時政と富士の巻狩について」 中倉 茂、他。
本の状態は、大切に保管していた「美本」である。二冊
同じものを所持していたうちの、保存用のものなので申し
分ない。発送は、ゆうパケットかネコポス210円です。