昭和56年(1981)3月17日(火)の午後6時から、
東京・渋谷の東急百貨店最上階の東横劇場で行われた第
11回『若い東横落語会』のプログラムである。今からち
ょうど40年前のものだ。その二年前、円丈の師である
昭和の名人・三遊亭圓生が急逝した。
多くの落語ファンは、文楽や志ん生に続き、六代目柳
橋、そして圓生も鬼籍の人となったと落胆した。だが、
談志や志ん朝、小三治、円楽、円鏡ら中堅は燃えた。芸
に一段と力が入り、東横落語会のレギュラー・メンバー
に次々と加わった。ちなみに、落語協会分裂を諦観し円
丈が冷静におもしろく描写した『御乱心ー円生とその弟
子たち』という本は、新作落語をしのぐ名著である。
さて、新レギュラー・メンバーの加入により、東横落
語会への若手の出番が減ったことから、同落語会は『若
い東横落語会』の創設と新企画を立ち上げだ。出品した
本プログラムのトリは、先日(令和3年11月30日)
に急逝心不全で死去(76歳)した、円丈の「作家地獄」
を演じている。円丈は、師・圓生の死後に落語協会へ復
帰し、何か吹っ切れたように、創作落語の実験に堂々と
取り組んだ。私は「失われたキンタマ」や「グリコ少年」、
「競争馬イッソー」や「埼玉望郷編」、「パニック・イ
ン落語界」など当時の思い出にある。私自身が作家志望
だったので、「作家地獄」は今も印象深く残っている。
最後に、この若い東横落語会のプログラムは、通常の
東横落語会より小さなプログラムだが、当時の次期落語
界を担う逸材を窺い知るのには゛貴重な資料である。
【当日の演目】
●「人形買い」 入船亭扇好
●「小言幸兵衛」 古今亭朝太
●「たいこ腹」 三遊亭楽太郎
中 入 り
●「鰻 屋」 古今亭志ん朝
●「妾 馬」 春風亭小柳枝
●「作家地獄」 三遊亭円丈
今から40年前のものだが、状態は「美品」である。
当日のチケットを発見しました。発送は厚紙を添えて
折れないように配慮したい。送料は当方負担に変更し
ます。