平成13年(2001)に、講談社から出版された月刊文庫
情報誌『IN★POCKET』で、目玉の特集は柳家小三
治×南伸坊のま・く・ら対談「あなたはやっぱりヘンです」
である。
この文庫は、いささかの稀少価値が高い。というのは、
一応、文庫の名がつくものの書店に専用棚はなく、雑誌感
覚で発行されたために、書店に平積みされるのはわずか一
カ月弱でした。最新月号がでれば、雑誌と同じように売れ
残りは回収されて、即断裁紙クズとなった。ゆえに一部の
読者の手元にしか残らない。安直な装丁は廉価本の宿命だ
が、その安っぽいペーパーバックゆえに、持ち主が捨てて
しまうことも相当数に及んでいる。ために、この手の本は
一気に入手困難となり、あっしもかつてでゲット
した次第である。小三治と南伸坊の対談は、実におおらか
で楽しく、巻頭に大特集されたのもガッテンだ!
【巻頭大特集 柳家小三治×南伸坊】(全28頁)
ま・く・ら対談「あなたはやっぱりヘンです」は全22
頁はなかなか読み応えがある。
小三治と言えばまくら、まくらと言えば小三治と言われ
たそのヒミツが全開。小三治は自ら「落語の小三治より、
まくらの小三治の方が有名」と自虐的に自己紹介している。
その上で、東海ラジオの深夜放送のディスクジョッキーを
した時の体験談「沈黙5秒の恐怖」はじめ、「寝る枕談義」
や「ハチミツに塩」「親爺とせがれ」や「私の音楽教育」、
「落語は天職か!?」「熊とまたぎ」や「寄席楽屋噺」、
小三治と南伸坊の著作あれこれなど、とてもリラックスム
ードで22頁ほど展開されている。
上記の大特集以外のおもな記事は、以下のとおり。
●「暮らしと遊び方」 石倉ヒロユキ
●「読書探偵団」 西村 健
●「書斎曼陀羅 村山由佳」 絵と文・磯田和一
●「メリー・ウィドウ・ワルツ」 赤川次郎
●「ダーク」 桐野夏生
●「暗黒館の殺人」 綾辻行人
●「ゴッホ殺人事件」 高橋克彦
●「バリの学生街から」 戸塚真弓、他
。
本書の状態は、古書「並」でわずか数カ所だが、前の持
ち主が短い線がひかれている。また、扉に小さな三文判が
押されてたのは、ホワイトで消した。若干のヤケ色褪せ有。
小三治ファンにとっては、示唆深く資料的価値があるので
手元に置いておくと便利だ。あまりに神経質な方は入札を
御遠慮して下さい。送料は当方が負担いたします。