平成16年(2004)に、小学館から出版された名城をゆく
シリーズ30号「北庄 丸岡 一乗谷」(9月14日・定価560
円)である。全ページ・カラーグラビア仕立てとなっている。
城の規模、縄張り、築城秘話、ゆかりの武将の物語などのさまざ
まな内容は、貼付写真の具体的な目次の詳細から御想像して下さ
い。
【北庄城】
天正11年(1573)に、越前の名門・朝倉は織田信長に滅
ぼされた。その後、朝倉の旧臣・桂田長俊(前波吉継)を一時的
に守護代にして統治させていたが、長俊は一向一揆勢により討ち
死にした。信長は重臣・柴田勝家を派遣し一向一揆を鎮圧した。
勝家は、その功績により朝倉の旧領地を与えられた。
勝家は、赴任するやいなや、勝家自身の縄張りで居城の普請に
取りかかった。この居城こそが、信長の北国支配の拠点となった
北庄城で、九層の天守がそびえた巨大城であった。
天正10年、本能寺の変で信長が横死すると、光秀を討った羽
柴秀吉と勝家が対立し、両者は翌年賎ヶ岳の戦いで激突した。敗
れた勝家は北庄城に戻り、敵軍に包囲されるや城に火を放って妻
のお市の方(信長の妹)とともに自害した。この時、北庄城は廃
城の運命を辿ることになる。
関ヶ原の戦いの翌年、福井藩初代藩主・結城秀康(家康二男)
は、北庄城の跡地にまったく新たな城郭・福井城を築いた。その
ため、勝家時代の北庄城の遺構は、平成5年の第6次発掘調査で
本丸跡地(柴田神社境内)から石垣の石出土した・・・。
【丸岡城】
天正4年に、織田軍の北陸方面を差配していた柴田勝豊が初め
て築城した。その後、丹羽長秀、結城秀康の支城となり、江戸期
には本多や有馬の居城として明治維新にいたった。天守閣は戦国
時代の創建で古く、安土桃山建築の様式は国の重要文化財に指定
されている。昭和23年の福井地震で天守閣は崩壊したが、昭和
30に復元された。
【一乗谷館】
先日、NHK『ブラタモリ』でも放映していたが、室町時代後
期から戦国時代前期にかけて、中世を代表する城郭城下町である。
越前国の朝倉一族の本拠地で、文明3年(1471)から天正元
年(1573)の約100年間栄えた。
この館遺跡は、南北に細長い谷間とその両側の山地に立地し、
山地には山城、櫓、砦などの防御施設が築かれていた。また南北
二条の土塁によって区画された城内には、城主の居館、侍屋敷、
町屋、寺院な城下町の様相を呈していた。
昭和42年以降、福井県教育委員会が力を入れて、継続的な発
掘調査により全貌がほぼ明らかになった。戦国期の住居形態や日
常生活形態などの史跡的価値は高い。朝倉氏滅亡後、まったくの
手つかず状態が幸いし、遺跡の保存状態もまれにみる良好さだ。
昭和42年に、国の広域特別史跡に指定された。
【本書のおもな登場人物】
●柴田勝家 ●羽柴秀吉 ●前田利家 ●お市の方と三娘
※三娘の父は浅井長政(お茶々=淀君、お初=京極高次の
妻、お江=徳川秀忠の妻)●桂田長俊 ●佐久間盛政
●柴田勝豊 ●朝倉孝景 ●朝倉義景 ●結城秀康
●本多成重 ●本田成重 ●松平慶永(春獄)●橋本左内
【城と城下町・周辺城砦紹介】
●福井 ●一乗谷 ●丸岡 ●越前大野
●長崎城 ●勝山城 ●小丸城 ●疋壇城
●金ケ崎城 ●敦賀城 ●国吉城 ●高浜城
●小浜城 ●杣山城 ●府中城(越府城)
●丸岡藩砲台跡
【事件史・史跡・その他】
●賤ヶ岳の戦い ●清洲会議 ●福井地震
●『盲目物語』谷崎潤一郎
本の状態は、かつて新本購入し、大切に個人所蔵の「美本」
である。ただし、あまりに神経質な方は御遠慮して下さい。
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