ドイツのトランス専業メーカーであるHaufe社製のT890を使って組まれたステレオ用MCステップアップトランスです。このように筐体に組み込まれた状態で購入し、グランドの配線をやり直し、足をつけ直して使っていました。
Haufe社のT890は、EMT社のターンテーブル、927や930用のフォノイコライザーである139、155st、153stなどに搭載されていたことで有名です。
T890は時代に応じてシールドケースの形状が変化していたようです。内部写真でご覧いただけるように本出品のT890は角形のシールドケースに入っており、これは1970年代のEMT 153stの頃のT890の特徴となります。
仕様:
■ 昇圧比 1:10
■ 1次DCR 9Ω
■ 2次DCR 900Ω
■ 適合カートリッジインピーダンス 40Ω以下
この出品に関心を持っていただいた多くの方にとっては当たり前かとは思いますが、プレーヤーからのアース線の接続方法はいろいろ試してください。私の環境でも、このトランスの筐体の2つのアース端子に素直に接続してうまくいくこともあれば、このトランスの筐体にはアース線を繋がずに浮かせておき、プレーヤーからのアース線とフォノイコからのアース線を直結した方がノイズを抑えられることもありました。
無難なリファレンスにしているFR社のFRT-3(MC-HIGHポジション)と比べると、ゲインは若干低めです。それでもオルトフォンのMC20 mkIIあたりであれば十分な音量で再生可能です。(個人的に、インピーダンスをマッチングさせないと、という話はあまり信じていないので...)
音質ですが、主観的な話になるので話半分に聞いていただきたいと思いますが、業務用機の標準的装備というイメージとはちょっと異なる、弾むような勢いのある、聞いていて元気になるような音がします。さすがに業務用だけあって基本性能はしっかりしているのか、音楽ジャンルに得手不得手があるような感じはありませんが、ちょっと端正でおとなしいFTR-3と比べると弾力感が目立ちます。
インピーダンスの低いカートリッジの出力を高めのインピーダンスで受けると、理論上は、誘導ノイズ面で不利になる、電磁制動の効き方が変わり周波数特性が変わる、カートリッジコイルのインダクタンスの周波数依存性を吸収できなくなる、などが考えられはします。が、個人的には、そういった設計的にわかりやすい理屈による音質の変化よりも、線材やコア材、巻き方、シールドの仕方、など実装面の違いの方が音質により大きな影響を与えるのでは、などと思っています。
T890のような高めのインピーダンスで受けるトランスは、カートリッジ側のインピーダンスとの整合などあまり気にせず色々試してみるのが楽しい、と思っています。
写真をよくご覧いただき、よろしくご検討ください。
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