「務而致」
読み下しは、 務めて致(いた)せ
意味は、 自分の職を極め、やり抜きなさい。
中国に三字経(さんじきょう)というのがあります。
これは百家姓、千字文と並ぶ伝統的な中国の初学者用の学習書です。
三文字で一句とし、偶数句末で韻を踏んでいます。
平明な文章で、学習の重要さや儒教の基本的な徳目、経典の概要、一般常識、中国の歴史などを盛り込んでいる学習書です。
その「三字経」の中に下記の様な句があります。
彼雖幼 彼(かれ)は幼(よう)と雖(いへど)も
身已仕 身(み)已(すで)に仕(つか)ふ
爾幼学 爾(なんぢ)幼学(ようがく)
勉而致 勉(つと)めて致(いた)せ
有為者 為(な)すこと有(あ)る者(もの)は
亦若是 亦(ま)た是(か)くのごとし
意味は、
彼は幼かったが
もう仕えていた。
お前たち幼くして学ぶ者は
努力して学問をせよ。
有為の人物は皆このようである。
ここで「有為」は能力のある者、有望な者の意
という事なのですが、この6句の中の4句目にある「勉而致」・勉(つと)めて致(いた)せ・を、
鉄舟さんは子供向けではなく成人向けに、勉(つと)めるを、務(つと)めるの字に変えて、
「自分の職を極め、やり抜きなさい。」
この書を贈った相手の方に、そう伝えたかったのだと思います。
文法的な事ですが、ここでの「而」の字は漢文では置き字と言って読まない事が殆どで、而の前後の字(言葉)を順接もしくは逆接で繋げる役目があり、こちらの場合は順接として使われております。
改めて、
「務而致」 務(つと)めて致(いた)せ
これを常に部屋に掛けていただくと、扁額を見るたびに心引き締まる思いになるのではないでしょうか。
こちらの作品の状態ですが、 全面はアクリル板で額の状態は概ね良好(木の部分に僅かな擦れはあります)です。
本紙もヤケや折れ、シミや汚れは殆ど無く良い状態だと思います。
画像で状態をよくご確認なさってからのご入札をお願いします。
通常、扁額は保存する事が難しいために飾りっぱなしとなり、殆どの作品が焼けて状態が悪い物が多いですが、こちらは扁額用に鉄舟さんが揮毫したまくり状態の書を表装せず暗所で保存しておき、近年に額装したものですのでとても綺麗な状態で、尚且つガラスではなくアクリル板(むかしの扁額はガラスすら無く剥き出しの状態です)を全面にはめてありますので軽量で、万が一落下した際も割れる心配も無く安心です。
また、こちらの様なサイズですと梱包しますと200サイズ越えとなってしまい、地域によっては大変高額な送料がかかってしまいますので、今回は全国どこでも当方が送料を全額負担させていただきます。
一文字一文字大変丁寧に書かれた心のこもった墨蹟であり、言葉の意味も素晴らしく、ずっと掛けておきたい名品だと思います。
状態が良く書の内容も良い扁額を一つ欲しいとお考えの方には、二度とないチャンスではないでしょうか。
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勿論、悪意は無く解らないでご出品なさっているのだと思いますが。。。
当方の出品物では贋作は100%ございませんので、安心してご入札なさってください。
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なお、評価が0(新規)の方でご入札なさる方は質問欄からお便りを頂いてからご入札をいただければ問題ございません。
サイズ(概寸です)
額全体:縦48.0㎝ 横138.5㎝
本紙:縦30.4㎝ 横104.0㎝
厚さ:2.5㎝
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