価格表付き 展示即売会図録本 エミール・ガレ&ドーム兄弟 華麗なるアール・ヌーヴォーの世界
日本橋三越
2001年 7月31~8月6日
約30x21x0.8cm
50ページ
フルカラー
※会場限定・絶版
※別刷りの出品目録(価格表)付き 全98点の作品リスト/うち96点の販売価格掲載
デパート/百貨店個展は、わずか7日間という短い会期の上、
一部の上得意顧客・会場限定のみでしか入手できないものです。
大変貴重な、展示即売会の販売図録・個展カタログ・図録集・作品集・作品写真集。
アール・ヌーヴォー/アール・ヌーボーの工芸ガラスを代表するエミール・ガレとドーム兄弟による、
花瓶、花器、ランプ、シャンデリア、蓋物、杯、ゴブレットなどの美術工芸ガラス作品を紹介。
厳選された逸品・本物真作98点の作品写真と寸法を掲載した図録本。
うち96点の価格表付き。
数千万円のものから、数百万円クラスを中心に、数十万円の小品まで極上品ばかりを集めたもの。
サイズ、技法、制作年代、サインの形式、サインの位置、サインの文言もあわせて掲載。
(「側面に刻銘でGalle」など)
主要な作品には解説も付し、
真贋の鑑定にも役立つものとなっています。
エナメル、グラヴュール、カボション、エッチング、マルケットリーなどの技法解説もあわせて収載。
当時の販売価格を掲載した価格表つき。
コレクター、愛好家必携の大変貴重な資料本。
【ごあいさつ】
19世紀末から20世紀初頭にかけて、フランスを中心にヨーロッパ諸国で開花した芸術運動「アール・ヌーヴォー」。
中でも“アール・ヌーヴォーの華”と謳われているガラス工芸は、独特の柔らかい光と美しい色彩で、心に安らぎと静かな感動を与え、今なお世界中の人々を魅了し続けています。
本展では、フランス・ナンシー派の双璧、ガレ・ドームが、技術の粋を尽くして手掛けた花瓶、ランプを中心に、重厚な作品から身近に楽しめる小品まで、厳選を重ねた100余点を一堂に出品いたします。
世紀を越えて輝き続ける、アール・ヌーヴォーガラスの深遠なる美の世界を、心ゆくまでご堪能下さいませ。
【内容】
主催者挨拶
寄稿 世紀末ガラス工芸の美 財団法人北澤美術館学芸部長 鈴木潔
技法解説
エミール・ガレ年譜 肖像写真
エミール・ガレ作品カラー写真図版 50点
ドーム兄弟年譜 肖像写真
ドーム兄弟作品カラー写真図版 48点
【掲載作品より一部紹介】
1.ガレ〈とんぼ文花瓶>
多層の透明地ガラスのあいだに黒褐色と黄土色の班紋をはさんだ型吹きの花瓶。底部には水面を暗示するグリーンのガラスが被せられている。あらかじめ薄板状の透明ガラスに褐色のガラスを重ね繊細な彫りでとんぼを描き、それを透明ガラスのあいだにはさみこむことでシルエット状のとんぼの内部装飾としたアンテルカレール技法。とんぼに重なる表面のガラスには闊達なグラヴュール(手彫り)が施され、翅や眼、胴が細部にわたり克明に再現されている。背面には古色付けによる茶色の斑紋が施されている。高度な技術を駆使し、命あるもののはかなさを表現したガレの最晩年の象徴主義的逸品で、同様のテーマで制作された作品が装飾美術館(仏、パリ)や、フィラデルフィア美術館(米、ペンシルバニア州)に収蔵されている。
高さ:28cm
サイン:側面に刻銘でGalle
制作年:1903年頃
2.ガレ〈玉葱〉
透明ガラスに赤みを帯びたベージュを重ねた花器。マルケットリー(ガラス象嵌)技法で玉葱の花を象嵌し、グラヴュール(手彫り)で花の細部を表現している。あらかじめ多色のガラス薄板を玉葱の花状に組み、素地となるガラスに熔着したうえ、圧を加え表面が平滑となるまで押し込んでいる。下部にはエンジのガラスを重ね手彫りを施し、部分的に皮の剥けた玉葱を表現。さらに脚台はマーブル模様の練りガラスで玉葱の根に見立て、花瓶全体を玉葱の形に仕上げている。1900年頃のガレの作品には対象物の姿を作品の形に取入れる有機的造形が多く、茄子やキャベツなど野菜をテーマにした作例が万国博覧会にも出品されている。また、ガレが描いたこの作品の原画がフランスのオルセー美術館に収蔵されており、忠実に仕上げられていることから、ガラス制作の技術の高さがうかがえる。この作品は昨年から今年にかけて日本国内を巡回した「エミール・ガレ展」に出品されていたものである。
高さ:34.5cm
サイン:側面に刻銘でGalle1900
制作年:1900年
5.ガレ<鷹に雪持松文花瓶>
白色ガラス粉を混入した淡緑色透明素地に白を重ねた二層被せガラスの花瓶。エッチングで装飾の輪郭を浮き彫りにし、多色のエナメル彩で雪の積った松にとまる鷹を描いている。狩野派の絵画に影響を受けたジャポニスムの作品。
高さ:45.5cm
サイン:台部に刻銘でGalle
制作年:1890~1900年
51.ドーム<麦文花瓶>
ガレに比べ制作上の困難さを抱える作品を多く残すことのなかったドームも、わずかながら、自社の技術水準の高さを世に知らしめるためガレの最高傑作と比肩しうる作品を発表していた。この麦文花瓶もそうした極めて稀な作例の一つ。練りガラスとヴィトリフィカシオン(被せガラスの一種)で印象派的な色彩の花瓶を作り、アプリカシオン(熔着技法)で麦を立体的に仕上げている。印象派的な明るい色彩はドームの特徴で、象徴主義作家のガレのアンニュイでデカダンな表現とはまさに好対照とも言える。この作品に使われているアプリカシオンの技術はガレ最晩年の傑作のそれに勝るとも劣ることのない高度なもので、この作品がドームのガレに対する挑戦的な作品であることが見てとれる。
この作品は2001年4月21日より7月8日まで「アール・ヌーヴォー展」於、東京都美術館(企画:ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館、英)に出品されている。
高さ:32.5cm
サイン:台部に刻銘でDAUM NANCY
制作年:1907~1910年
52.ドーム〈とんぼ文花瓶>
二層の透明ガラスのあいだにブルーと濃い紫色の粉末ガラスをはさみ素地とした花瓶。表面にグリーン、黄色のヴィトリフィカシオンを施し、エッチングでとんぼとコウホネと思われる水辺の植物を浮き彫りにしている。とんぼの胴は赤い粉末ガラスをはさんだうえに透明ガラスを熔着したアプリカシオンで、グラヴュール(手彫り)で細かな仕上げが施されている。
高さ:19.5cm
サイン:底面に刻銘でDAUM+NANCY
制作年:1904年頃
54.ドーム=グリューベル〈クレマチス文花瓶>
乳白を帯びた透明地に紫を重ねた二層被せガラスの花瓶。エッチングでクレマチスを浮き彫りにしたのち、グラヴュールで細部を仕上げ、背景にマルトレ(鎚目)を施している。
デザインにおいて、ドームの重要な協力者であったナンシー派の画家であり、ステンドグラス作家であったジャック・グリューベルが知人への贈答品として制作したと思われる作品。
高さ:30.5cm
サイン:側面に刻銘・金彩でDAUM+NANCYとともにJK SOUVENIR AFFECTUEUX DE J.GRUBER DECbre1897(ジャック・グリューベルの愛情の深い贈り物1897年12月)の表記
制作年:1897年
ほか
【価格表より一部紹介】98点中96点の価格掲載
●エミール・ガレ
とんぼ文花瓶 ―
玉葱
アイリス文花瓶
カトレア文コンポート
鷹に雪持松文花瓶
樅文花瓶
蘭文花瓶
蜂の巣文花瓶
ナスタチウム文花器
アザミ文花瓶
麦文花瓶
草花文花瓶
菊文蓋物
とんぼ文蓋物
デキャンタグラスセット
プラム文花瓶
クロッカス文花瓶
木苺文花瓶
風景文花瓶
芥子文花瓶
クレマチス文花瓶
花文花瓶
ジキタリス文花瓶
ハイビスカス文花瓶
クレマチス文花瓶
草花文花瓶
風景文花瓶
風景文花瓶
蓮文花瓶
樅文花瓶
フクシア文花瓶
ナスタチウム文茶入れ
木の実文花瓶
藤文茶入れ
紫陽花文花瓶
とんぼ文花瓶
ナスタチウム文茶入れ
草花文花瓶
花文茶入れ
クロッカス文花瓶
水仙文花瓶
シクラメン文花瓶
クロッカス文花瓶
紫陽花文花瓶
ぼけ文花瓶
松ぼっくり文蓋物
シクラメン文花瓶
ツバメ文ランプ
芙蓉文ランプ
プラム文シャンデリア
●ドーム兄弟
麦文花瓶 ―
とんぼ文花瓶
マグノリア文花瓶
ドーム=リューベル クレマチス文花瓶
樹林文花瓶
桜草文花瓶
マーガレット文花瓶
すみれ文花器
エーデルワイス文花器
雪景色文蓋物
りんぼく文花瓶
りんぼく文花器
風景文花瓶
風景文花瓶
風景文花瓶
夕景文花瓶
スノードロップ文花瓶
徽章文ゴブレット
獅子文杯
獅子文杯
おきな草文花瓶
梨花文花瓶
大麦とひなげし文花瓶
冬景色文花器
クロッカス文花瓶
小判草文花瓶
チューリップ文花瓶
木苺文花瓶
枯葉文花瓶
芥子文花器
夕景文花瓶
草花文コップ
おだまき文花瓶
初夏の森文コップ
矢車草文花瓶
ひなげし文花瓶
梨花文花瓶
ヒヤシンス文コップ
風景文蓋物
ユーカリ文蓋物
クレマチス文花器
アザミとロレーヌ十字文コップ
木苺文コップ
チューリップ文花器
チューリップ文花瓶
梨花文ランプ
雪景色文ランプ
ぶどう文シャンデリア
【ガラスの成形法・ガラスの技法各種解説付】
被せガラス
エッチング
グラヴュール
エナメル彩
月光色ガラス
ヴィトリフィカシオン
マルトレ
ジブレ
アプリカシオン
マルケットリー
カボッション
サリッシュール
アンテルカレール
パチネ
ペルルメタリック
スフレ
★状態★
外観は背を中心とした薄ヤケ、通常保管によるスレ程度、
カラー写真図版良好、目立った書込み・線引無し、
問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)