「しょうぼうじどうしゃじぷた」は、渡辺茂男によって書かれ、山本忠敬によって描かれた日本の絵本です。
この作品は、1966年6月10日に福音館書店から「こどものとも傑作集」の一冊として単行本絵本として発刊されました。
この絵本の中で、主人公である「じぷた」という消防車は、古いジープを改良した小さな働き者ですが、主にボヤの時のみ出動します。
じぷたは他の大きくて立派な乗り物に「ちびっこ」として扱われていますが、ある日、山の中で火事が起こり、じぷたが出動することになります。
渡辺茂男はこの作品を作る上で、自分自身の幼い頃の経験や、消防自動車への興味からインスピレーションを得ています。
彼は消防車や消防署、消防自動車の製造工場などを訪れ、様々な取材を行った後に物語を執筆しました。
物語の完成には2年3か月を要し、実際に消防車を観察し、図書館で資料を調べるなど、丁寧な準備と研究を重ねたことが分かります。
一方、挿画を担当した山本忠敬は、出来上がった物語を何度も朗読し、登場人物の性格や出来事を体で理解した上で、心に浮かぶ絵をデッサンしました。
彼の描いたイラストは、消防署の日常や消防手の活躍、街や山の火事場の風景を簡潔にリアルに表現しています。
また、この絵本に登場するすべての乗り物は、それぞれの特徴を生かして巧みに擬人化されており、子供たちを引きつける魅力的なキャラクターとして描かれています。
この絵本は、多くの子供たちに愛され、その人気は長きにわたって続いています。
興味深い背景と丁寧な取材、温かみのある物語とイラストが、多くの読者の心を捉えています。