西ドイツのTelefunken社が1950年代末に、自社の家庭用大型ラジオなどのために製造していた壺型アルニコマグネット採用の楕円フルレンジスピーカーユニット、2本セットです。サイズはおおよそ18cm x 26cmで、東西ドイツやヨーロッパ諸国で製造されていた大型の楕円スピーカーとして一番標準的なサイズです。
■主な仕様
磁気回路:アルニコ内磁型
外形:260 × 175mm
定格:約5Ω / 5W / 60~14kHz (ドイツの自作オーディオ系フォーラムでの推定値)
重さ:約800 g
1950年代中頃から60年代にかけて、Telefunkenをはじめとする西ドイツのメーカーは競うように家庭用の大型のラジオや、家具調のラジオコンソールを商品化していました。ラジオのように横長の筐体の中にできるだけ大きなスピーカーを搭載したい、という要請から生まれたのが独特の大型の楕円ユニットであるようです。
当時のTelefunkenは、上位機種から下位機種まで、Opus、Allegro、Gavotte、Jubilate、というように多彩な家庭用ラジオのラインアップを揃えていましたが、本出品のアルニコ磁石のTelefunkenの1826は、50年代中頃の、最上位機種であるOpusシリーズに使われていたスピーカーユニットです。ご参考まで、Opus 9の内部写真が見られるサイトをご紹介します。
https://www.radiomuseum.org/r/telefunken_opus_9_hi_fi.html
ドイツのスピーカーメーカーは日本やアメリカに先駆けてアルニコ磁石からフェライト磁石へと移行します。Telefunkenの大型ラジオ用の大型楕円ユニットも同様に、50年代末にはフェライト磁石に移行してしまいますので、Telefunken1826サイズ楕円ユニットで壺型アルニコのものは少し希少です。
音の話をしますが、あくまで私個人の主観的な感想として読み流してください。
日本でも、ソニーというようなメーカーが、磁気回路がアルニコとフェライトとで違うだけの2機種の業務用スピーカーユニットを商品化していたことがあったと思いますが、Telefunkenの1826も、アルニコかフェライトかで音質は違うようにも聞こえます。でもその違いは優劣をはっきりつけられる類のものではなく(優劣が簡単につけられるならソニーも2機種も出さなかったでしょうし)、どちらが好みか、という類だと感じます。強いて言えば、音に勢いのあるフェライトに対して、端正なアルニコ、といった雰囲気があるかもしれません。
写真でご覧いただけるように、Telefunken 1826ユニットのフレームは板金です。このようなスピーカーでは、板金の前面に厚手のフェルトなどが貼ってあり、バッフル板には背面から固定するのが標準的な取り付け方法となります。
取り付ける際に守っていただきたいのは、ネジを強く締めてバッフルにしっかり固定させようとしない、ということです。板金のフレームは元々精度を追求できる構造ではなく、しっかりバッフルに固定させようとするとフレームが逆に歪んでしまい、場合によってはボイスコイルタッチを生じさせることにも繋がります。ユニットをネジ止めする際には、ゴムやフェルトなどのワッシャを介してネジ止めし、ユニットを持ってずらそうとすると少しユニットが動く、という程度の緩さで取り付けるのが無難です。
緩くすると気密性などが気になる方もいらっしゃるかと思いますが、上で述べたOpusなど大型ラジオの筐体を見ると、背面板にはパンチ穴やスリットがたくさん開いていてキャビネットに気密性は一切ありません。スピーカーユニット側もキャビネットに気密性を期待しない設計になっていると思いますので、しっかり緩く付けて、スピーカーユニットにおおらかに鳴ってもらう、という気持ちで付き合っていただければと思います。
開放的な鳴りのよさ、というこのスピーカーの特徴を最もうまく引き出すことができるのは平面バッフル、次点で後面開放箱、かと思います。箱のサイズが20リットル程度以上あれば極端に低音が不足するようなことはなく、開放的でニュアンスに富んだ再生音を楽しめると思います。
写真をよくご覧いただき、是非ともよろしくご検討ください。
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