ジョンレノンとポールマッカートニーというロックンロール史上５指に入るであろう天才２人が同じバンドにいるというだけでも奇跡的だが、何人天才ミュージシャンを集めてスーパーバンドを作っても、その2人を中心にしたビートルズの活動期間中に起こったバンドマジックは今後も絶対に起きない。グループの進化の過程がそのままロック史の進化の過程でもあるという事実も凄いが、サイケもヘヴィーメタルも始まりにしていきなり最高到達点を叩きだしていく鬼のような創造性は言葉本来の意味で最強にプログレッシヴでありながら難解になることなく常に最強にポップでもあった。しかもあろうことかファンが絶叫する世界最強のアイドルでもあったのだ。かなうものがいるはずがない。そんなビートルズの最も有名な編集盤がこの通称赤盤と青盤だ。コンセプト的にはっきりしている「ザ・ビートルズ1」は名盤だが「ラヴミードゥ」と「フロムミートゥユー」の間に「プリーズプリーズミー」が入っていないことや「ストロベリーフィールズ」が入っていないことがなんとなく解せないのだ。選曲に文句がある奴もいるかもしれないがジョージが選曲してるから文句も言えまい。オアシスの編集盤を作る際にノエルがシングルを順に入れるようなものではなく、ビートルズの赤盤青盤やジャムのスナップのような作品にしたいと云っていた。これが入門盤にして決定盤だ！