
Pioneer SA-6700
¥35,800(1975年頃)
解説
低価格でハイパワー・低歪化を追求したプリメインアンプ。
パワーアンプ部の回路方式は全段直結純コンプリメンタリーOCL回路を採用しています。
この回路ではドライバー段以後に新しく開発された4石構成のハイブリッドICを採用しており、特別選別したICを採用することで特性の改善を図っています。また、差動回路には特性の揃った2個のトランジスタを1組にまとめたデュアルトランジスタを採用しており、安定した動作を実現しています。
イコライザー部には±2電源方式による3段直結型の回路が採用されています。
この回路は、初段のゲインを大きくとることができるため、安定したNFBを十分にかけることができ、低歪率・高SN比を達成しています。また、±2電源供給によって入出力点をゼロ電位に保ち、スイッチ切換え時の不快なショックノイズを排除しています。
ボリュームには32ステップの本格的アッテネーターを採用しています。
これにより左右の連動誤差も0~-70dBの全域で±0.5dB以内を実現しています。
コントロールアンプ部は、2段直結アンプの後段にCR型トーンコントロール回路を結合した設計となっています。
この回路はNFBを十分にかけることができ、歪の少ない周波数特性を実現しています。
トーンコントロールには11ポジションのクリックストップ式を採用しています。また、on/offスイッチを搭載しており、offにすることでトーンコントロール回路をパスすることが出来ます。
電子回路とリレーを組合わせた本格的な保護回路を搭載しています。また、電源on/off時のノイズを除くミューティングとしても機能しています。
電源部には8,000μFの電解コンデンサーを2個使用しています。
ローカットフィルターを搭載しています。
外形寸法幅350x高さ125x奥行282mm
重量7.6kg
Pioneer TX-6300
¥24,800(1975年頃)
解説
コストを抑えながら、高感度、高選択度、安定度を目指したAM/FMステレオチューナー。
フロントエンド部には雑音指数の低いFETと周波数直線型の3連バリコンを組合わせた高周波1段増幅付きの回路を採用しており、感度や妨害排除能力を高めています。
IF部には、合計200素子分以上の要素を1個にまとめたパイオニア独自のICを使用し、選択素子には位相特性の優れたフェイズリニアセラミックフィルターが採用されています。また、この回路では5段のリミッターにより十分に波形の整形が行われており、AM成分の雑音なども取り除いています。
MPX部にはPLL回路の専用ICが採用されています。PLLは、MPX内で作り出される復調信号とパイロット信号が、常に同位相となるように二つの信号の位相差を検出し、それによって復調信号を正しくコントロールする働きを持ってます。これにより、MPX部のセパレーション特性の安定度を高めています。
離調時のノイズや局間の雑音をカットするミューティング回路を内蔵しています。
AMチューナー部には専用ICが採用されています。
このICは、入力の強弱があっても常に一定の働きをさせるAGC特性が優れているため、強電界地域でも安定した音質を確保しています。
セレクタースイッチとミューティング回路が組み合わされたレバースイッチを搭載しています。
FM-monoではミューティングoff、FM-autoではミューティングonと組合され、AMは単独で選ばれます。
センターチューニングメーターを搭載しています。
このメーターはAM受信時には入力の強弱を表すシグナルメーターとして動作します。
外形寸法幅350x高さ125x奥行303mm
重量4.4kg
Pioneer CT-3
¥49,800(1975年頃)
解説
CT-7、CT-5のメカニズムを受け継ぎ、高いコストパフォーマンスを実現したステレオカセットデッキ。
低い回転ムラを保証するため、トルクが大きく電圧変動等の影響を受けないDCモーターと、真円度0.1μ以下の高精度キャプスタンを採用しています。
ドルビーシステムを内蔵しており、テープヒスノイズを大幅に低減しています。MPXフィルター回路を搭載しており、FM録音テープでもドルビー回路を安定に動作させます。
また、ドルビー動作表示ランプを搭載しています。
テープセレクターを搭載しており、一般のローノイズテープを使用する時はバイアス/イコライザーともにSTDの位置、クロームテープ使用時は、CrO2の位置にセットします。
また、フェリ・クロームテープ使用時は、バイアスをSTD、イコライザーをCrO2に切換えて使用します。
ヘッドには硬質パーマロイコアを使用したパーマロイソリッドヘッドを採用しています。
テープストップの無接点検出機構とソレノイドの併用により、テープやメカに負担がかからないフルオートストップメカを搭載しています。
FF/REWからstopを経由せずに直接playに移れるダイレクトチェンジ操作ボタンを採用しています。
レベルメーターを搭載しています。
機種の定格
型式ステレオカセットデッキ
録音方式交流バイアス85kHz
消去方式交流プッシュプル方式
ヘッド録再:パーマロイソリッドヘッドx1
消去:フェライトヘッドx1
モーター電子制御DCモーターx1
早巻速度約80秒(C-60にて)
回転ムラ(WRMS)0.12%以下
周波数特性一般、LHテープ:30Hz~13kHz、40Hz~11kHz ±3dB
クロームテープ:30Hz~16kHz、40Hz~12kHz ±3dB
S/N
一般、LHテープDolby off:48dB
Dolby on:58dB以上(5kHz以上)
クロームテープ使用時:4.5dB向上(5kHz以上)
入力感度/最大許容入力
/インピーダンスマイク:0.3mV/63MV/20kΩ(適合インピーダンス600Ω~20kΩ)
ライン:63mV/12V/50kΩ
DIN:100mV/2V/10kΩ
基準出力レベル
/インピーダンスライン:450mV/50kΩ
ヘッドホン:80mV/8Ω
使用半導体トランジスタ:41個(モーター電子制御用:2個)
FET:2個
ダイオード:25個(モーター電子制御用:1個)
ツェナーダイオード:3個
発光ダイオード:1個
電源AC100V、50Hz/60Hz
消費電力13W(最大)
外形寸法幅350x高さ142x奥行282mm
重量6.5kg
メンテナンス済の実動品です。
アンプの入出力に問題は有りません。
チューナー受信感度良好でステレオシグナル点灯します。
ラジオバンド位置合っています。
(神奈川県横浜市でのチェックにて)
ヘッド研磨とアジマス調整により音質は良好です。
通常デッキワイドよりも7cmコンパクト設計ですが性能は良くヴィンテージのミニコンポの中では素晴らしい出来だと思います。
整備内容
・外部及び内部の清掃
・チューナーのスケールランプとカセットデッキのVUメーターランプをスカイブルー色にLED化
・テープデッキのヘッド研磨及び消磁処理
・キャプスタンベルト類の交換及び調整
・バイアス及びアジマスの調整
チューナーのボックスにだけ錆び浮きが目立ちますが他2台は比較的綺麗です。
スカイブルーのLEDがデッキの古さを全く感じさせず
ワイドサイズも通常のオーディオデッキよりもコンパクトで場所を選びません。
セカンドコンポーネントとして寝室等に合わせ易いデザインだと思います。
現在のところ実動しておりますが発売から半世紀は経た機種である為、ノークレームノーリターンで宜しくお願い致します。