
自宅保管の品です。中身は大変美品ですが古いものですので、薄いヤケや表紙など若干の経年変化はございます。画像にもありますように、1ページのみ小さな折り目あり、表紙を外した本体に薄いシミがございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
小説 佐川疑獄
昭和三十八年に小物の宅配「佐川急便」をはじめた佐川清は、同業を営む渡辺広康との出会いをきっかけに、各地の中小運輸会社に次々と業務提携を持ちかけ、独立採算をとる自社グループに取り込んでいった。一方渡辺は、東京佐川急便社長となり、政治家や暴力団との親交を深め、私財を蓄えつつあった―。竹下登ほめ殺し事件、金丸信自民党副総裁辞職など、佐川疑獄の真実に鋭く迫る長篇ノンフィクション小説
レビューより
それにしても、ここまで佐川急便が拡大したのはなぜか?経済成長期と重なったのはあるだろうけど、なぜ、佐川清なのか?どのような手法だったのか?ひとつには乗っ取りがあった。買収というスマートな方法ではなく、普通に乗っ取り。
大下英治がそう記している。それによると、各地に進出するということは、地元業者から荷物を奪うことになる。そこで与しやすい相手には「荷物を回すから」と、佐川急便の看板をあげさせて提携する。頃合をみて、何千個もの荷物を急に止めて、グッチャグッチャに経営を混乱させて、どさくさまぎれに株式を取得して、役員を追放して直営にする。「話がちがう」と対抗する相手には実力行使。その会社のドライバーを内緒で招待してドンちゃん騒ぎをした結果、役職以下106名が一斉に退職して、いつの間にか作られていた佐川急便の営業所に移ったケースも書かれている。
「佐川清だけは絶対に許せない」と裁判を続ける社長も実名で登場する。
1000億といわれる献金があった献金した政治家というのは誰なのか?スバリ田中角栄となる。
首相となる7年前の1965年(昭和40年)に、新潟繋がりで面識を得ている。
徒手空拳で創業した佐川清を一目で気に入ったらしい。「佐川くんは行儀はわるいが、同郷だから」と目をかけたとのこと。
給料はいい。初任給は年齢に関係なく40万、それからは一気に昇給が続いて70万から80万に跳ね上がる。店長クラスは100万円を超える。朝6時出社。夜11時退社。それが平常勤務。労働基準法は無視されているが、もちろん労働基準局の是正勧告はない。