次作「THE MAN WHO」で、UKロック界のトップグループに仲間入りしたTRAVISの1st album。 他に侵食されないTRAVISの音をはっきりと啓示した「THE MAN WHO」、そしてそのポジションを不動の物とした3rd album「THE INVISIBLE BAND」、その二枚と比較されて賛否両論の作品だが、確かにまだ青さが感じられる。しかし、そんなことはどうでもいい。 「その青臭さが逆にいい。」「これはこれで、2作目3作目にはない良さがある。」そのような意見も多いようだが、そんなこともどうだっていい。 10曲目の「More Than Us」、この一曲だけで充分このアルバムの意味があるのではないだろうか? 「THE INVISIBLE BAND」発表直後、故郷グラスゴーで行われたライヴを収録したDVDにも同タイトル名が付けられているように、今までTRVISが発表した中で一番「いい曲」がこの「More Than Us」であると思う。 the Beatlesの「Let It Be」と比較しても何ら劣らない名曲。 この良さも理解できずに2作目3作目を語ることなかれ。 確かに2作目3作目は一つ一つの楽曲が素晴らしい上に、album一枚としての完成度も高い。しかし、逆に言えば、「More Than Us」のように「一曲だけどうしても浮いてしまう」といった圧倒的に光る作品が見当たらない。光の配分はどれも変わらないと思う。 そういう意味で後の作品とタイプは異なるが、このalbumは間違いなく五つ星。