その希少性から「赤いダイヤ」とも言われ大変珍重される品です。
ヴィンテージラジオマニアでも、現物を見る機会はそうそう無いでしょう。
これを製造したトーヨーにしても、ギミック的な扱いだったようで、時期や数量などの販売資料は無さそうです。
大手メーカーへの供給実績も無かったようですから、当時この6E5-Dを、ユーザーが手にするには、
・交換用マジックアイとして単体購入する。
・赤いダイヤを組込んでチャームアップされたラジオ商組み立てのラジオを買う。
という様な流れであったのでしょう。
もうお解かりのように、キャビネットメーカー製のラジオをしっかりチェックしてゆけば、
赤いダイヤに出会うチャンスが有るという訳です。
今回の6E5-Dは、名古屋のキャビネットメーカー、キングトーン工芸のキットラジオに入っておりました。
残念ながら、ターゲットの発光は致しませんが、赤ダイヤの輝きは健在です。
このラジオは1953年頃でしょう。
こうした品物はいっそ配線を全てやり直しながら、回路をアップグレードしたり、
外部入力を追加したりして、高級化するのが楽しゅうございます。
キャビネット自体は造りが良いので、メーカー製を上回る上等な仕上げをしてやると、魔性が出たりします。
狂いのない見事な面なので、久しぶりにツヤテカにしてみました。
そして、70年以上もラジオに連れ添っていた赤いダイヤは、ラジオから取り出して切り売りなどせずに、
そこにあるがままにしておこうと思うのです。
このラジオに施した処置をお示しします。
・電源トランス交換
・オーディオトランス交換
・IFT交換
・OSCコイル交換
・電源フィルター増設
・外部入力端子&ケーブル製作
結構手が掛りましたが、良い部材を使用して上手く仕上がったと思います。