大阪の名工の善作の寸八鉋です。
中でも三代目善作こと松原重次郎は幻の善作と言われたりする鍛冶で、神戸の竹中大工道具館に常設展示されている墨流しの鑿が特に有名です。
幻の善作とは道具が稀少というのもさることながら、着の身着のままフラリとお店に現れて道具をお金に換えていくという逸話もあり、待ちで善作を見たという噂を聞くと道具を造ってもらおうと職人がその行方を捜し回ったという話もあり、本人の存在自体が幻の所以でもあったようです。
「是秀なんかよりよっぽど切れる」という職人もいるほど切れ味にも定評がある鍛冶のようです。
三代目善作は鑿などに比べ鉋はそれほど造らなかったという話も聞いたことがあります。
今までの話の内容から三代目善作の鉋というだけでかなり稀少なのですが、未使用である事、現存の物の中でも状態はかなり良い方だと思われる事、さらに刃の部分の長い二丁掛け仕様である事も更に稀少さを物語っています。
三代目善作はたまに雑な時もあるのですが、これかなり丁寧で『重次郎』や『三代目』の刻印まで押してあります。
頭もチマチマと丁寧に丸く削ってあります。
かなりノリノリで造った自信作ということかもしれません。
初代や二代目は非常に垢抜けた余計な部分を排除したような都会的な造りなのに対し、三代目はシルエットやラインの丸みに拘りがあるような可愛げとも愛嬌とも取れるような感じの物を時々感じる事があるように個人的には思います。
画像で裏スキに部分的に錆が出ていますが、あまり感触の無い浅い物で、見る角度によってはほぼ消えてしまうような薄らとした感じです。
最後の画像のように見る角度が変わるとあまり錆と分からない状態で、肉眼だとより薄い感じに見えます。
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錆などもありますので画像をよく精査して頂きノークレーム・ノーリターンでお願いいたします。