1985年1月、インドネシア共和国、バリ州プリアンタン村にて録音。
旧規格、帯無し、ジャケット左上にトレーのつめ跡あり。
ジャケット右上に折れ跡あり。ケース全体に擦れあり。
盤面に薄いキズ・小さいキズが散見されますが、ジャケット含め概ね並み程度の状態と言えます。
一通り、確認はしていますが、見落としがあるかもしれませんのでその際はご容赦くださいませ。
中古品の特性をご理解の上、ご入札下さい。
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インドネシア
GAMELAN
TIRTA SARI
1.タルナ・ジャヤ Tarna Jaya 10:08
2.ラジャ・パラ Raja Pala 12:12
3.クビャル・トロンポン Kebyar Trompong 7:16
4.レゴン・クラトン Legong Kraton 28:13
演奏: ティルタ・サリ
1985年1月 インドネシア共和国バリ州プリアタン村にて録音
企画・構成: 山城祥二
録音・解説・写真: 大橋力
制作ディレクター: 藤本草
録音エンジニア: 伊藤俊之
ジャケット・デザイン: 田中一光
ジャケット編集: 由井幸男
帯文:
「究極の現地録音による、バリ島ガムランの決定盤!
最高のアンサンブルで世界的に知られる、ティルタ・サリの名演!!」
◆本CD「解説」(大橋力)より◆
「“炸裂するゴング” といわれるゴン・クビャルは、打楽器アンサンブルとしてのガムランの特性を極限まで開発しつくして、1910年代の後半に完成したもので、長い歴史の変遷の中で生まれたさまざまなガムランがこれに収れんしていったといわれます。当時バリ島の村々にあった多くのガムランは溶かされ、ゴン・クビャルにつくり直されました。」
「一方、数は少ないのですが、バリ島の人々に愛されているもう一つのガムランがスマルプグリガンです。昔、王宮で使われ、王がしとねにつく時に奏されたといわれます。これは “幻視と瞑想のガムラン” とも呼ばれ、青銅の中の金含有量が多く、鋭いながらもきわめて幽幻で甘美な音色が特徴です。プリアタン村には13世紀頃できた、バリ島で最も音色の美しいもののひとつといわれるスマルプグリガンがあります。(中略) “ティルタ・サリ” の使用する楽器は、それをコピーして戦後つくられたものです。スマルプグリガン独特の音色の甘さに加えて、ゴン・クビャルのダイナミックな響きを合わせもった、バリ島でも他に例を見ない新しいタイプの絶品といえましょう。」
「バリ島では、単独で楽器を演奏したり、歌を歌ったりすることは、まったくといっていいほどありません。1人1人はだれにでもできる簡単なことをやりながら、それらを大勢が合わせることによって人間技とは思えないようなスピード感、多様性を生み出しているのです。
たとえば、ガムランでは旋律的パターンを奏する楽器群は必ず同じものが二つ一組になっています。パッセージは、基本的に “コテアン”という入れ子のテクニックによって成っています。一人では絶対にできない複雑高度なメロディやリズムが、これによっていとも簡単にできます。
また、二つ一組の楽器は、意識的にほんの少しだけチューニングをずらしてあります。二つをまったく同時に叩くと(中略)早い周期のうなりを生じます。こうしたうなりは、すべての楽器が合わさると増幅され響きあい、強烈なガムランならではの音空間を現出させます。」
「“ティルタ・サリ” は(中略)、ほとんど全員が親戚関係にあります。プリアタン村のプリ・カレラン(北の王宮)の当主マンダラ翁(推定82才)を中心に、昔の王族の子孫たちによって構成されています。」
「構成員はマンダラ翁の子供や孫をはじめ、まだ若いメンバーが多いのですが、翁独特の意表をつく表現発想、ティルタ・サリならではの若い感性、全体のコンビネーションのよさで他の追随を許しません。このディスクで味わえるスピード感とダイナミックさは、バリ島のガムランでも “ティルタ・サリ” でなければ味わえないものです。」