| 日本産蝶類大図鑑・2分冊/藤岡知夫/定価38000円/地理変異のほとんどまた異常型個体をできるだけ多く収載し種内変種を重点的に図説した
昭和50年 定価38000円 320ページと142ページ 重さ約6.49kg 資料用にもいかがでしょうか。
日本産の蝶には地理変異が多く見られる。それら地理変異のほとんど、また異常型個体をできるだけ多く収載し、種内変種を重点的に図説した。図版編、解説編の2冊
日本の蝶が欧米人の手によって調べられ始めてから、100年余りが経過し、研究者の数も次第に 増し、日本の蝶相の調査も日とともに精緻さを増してきた。特に1950年代から1960年代にかけては 日本の蝶に関する知識が飛躍的に増大したが,これは熱心な研究者の増加とともに,日本の経済力 の伸長、道路交通網の整備などにも依るものであろう。それぞれの種の分布が明らかになってくる とともに,種ごとの地理変異の存在も明らかになってきた。種ごとに多彩な地理変異が存在するた め、日本の蝶相は、その種類の多さ以上に豊かなものであることが明らかになった。しかし最近は、 開発による蝶の減少が目立ち、ここ数年ギフチョウなど低山地の蝶では,新産地の発見より絶滅し た産地のほうが上回っている。関東平野のヒョウモンモドキや四国のベニモンカラスシジミなど、 すでに姿を消した地理変異も少なくないし,現在姿を消しつつある地理変異は数多い。 ルーミスシ ジミやオオルリシジミのように,種全体が日本から姿を消そうとしている種もある。蝶の斑紋の姿 を通して明らかになった豊かな日本の自然を,それが消え去る前に精緻に記録しておきたいと考え るようになった。これが本書を公にしようとした目的の第一である。 日本列島の中には多くの地理変異が見られるため,多数の亜種が記載されていて,例えばベニヒ カゲは18もの亜種が記載されている。しかし,これまでは地理変異を日本全体として調べた研究が 極めて少なく,亜種も基準が明確でなく、混乱状態にあった。 そこで, 日本産蝶類の地理変異のす べてを図示し,亜種も一定の基準のもとに再検討する必要を痛感していた。これをできるだけ明ら かにするのが本書刊行の第二の目的である。 地理変異に関しては,既発表,未発表を含め筆者の知る限りはほとんど本書に収載し得たつもり である。しかし,本書の図版が製版された後に,ヒメチャマダラセセリとゴイシツバメシジミの2 種が日本から発見された。この2種も幸いに本書図版の中に追補として収載することができた。今 もなお新しい種が発見されるくらいであるから, 新しい地理変異も, 今後いくつかは必ず発見され るであろう。新産地などはまだ無数の発見があるはずであるし,すでに発見されていても,発表さ れていなかったり、あるいは筆者の不注意によって知らずにいた産地も多くあるであろう。本書に まとめた分布図は,これまでの知見を整理したもので,これからの新産地発見のための基礎となり, 今後いっそう完全に近い分布図がつくられることを期待している。 地理変異とともに,本書では異常型個体をなるべく多く収載するように努めた。 異常型は, 珍奇 であるばかりでなく, 他に類例のない個体も多く、異種間の斑紋の相同性を考えたりする上で, 極 めて貴重なものである。 しかし雌雄型については,筆者自身の考えで,例外を除いて多くは収載し なかった。 人工的な雑種もほとんど収載していない。 本書刊行の目的は, 種内変異を重点的に図説しようとしたものであるため, 異種間の区別点など は,特別に新しい知見を除き, ほとんど記述しなかった。
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