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西太后（せいたいごう、1835年11月29日 - 1908年11月15日）

清朝末期の実質的な最高権力者であり、約半世紀にわたり中国の政局を支配した女性政治家です。満州族出身で、満州名は「那拉氏（ナラし）」、小名は**「蘭児（ランアル）」**とも伝えられています。

生涯の概要：
1835年、満洲八旗の一つ、藍旗（そうらんき）に属する那拉氏の家に生まれました。
1851年、秀女選抜で咸豊帝（かんぽうてい）の後宮に入り、「蘭貴人（らんきじん）」の称号を得て、後に「懿妃（いひ）」に昇進。
1856年、唯一の皇子「載淳（さいじゅん）」を出産。これが後の同治帝（どうちてい）です。
1861年、咸豊帝の崩御後、政変（辛酉政変）を通じて、皇后（東太后）とともに「垂簾聴政（すいれんちょうせい）」を開始。ここから西太后と称されるようになりました。
同治帝の死後、彼女は光緒帝（こうしょてい）を擁立し、再び摂政の地位に就きました。
1898年、光緒帝による「戊戌の政変（ぼじゅつのせいへん）」を鎮圧し、改革派を弾圧。
1900年、義和団事件では列強に宣戦布告し、北京を脱出。結果として清はさらに列強の干渉を受けることになりました。
1908年、光緒帝が急死した翌日に崩御（死去）。清朝の終焉が近づく中での死でした。

歴史的評価：

慈禧太后は保守的な姿勢を貫きながらも、近代化の一部を導入した人物として、賛否が分かれています。強権的で冷酷という評価がある一方で、当時の複雑な国際情勢下において清の安定を保とうとした側面もあり、中国史上もっとも影響力のある女性の一人です。

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