東京オペラシティーアートギャラリー開館記念展1999 Releasing-Senses 感覚の解放 図録
アーニャ・ガラッチオ/クリスチャン・マークレー/村岡三郎/マルティン・ヴァルデ
27×19cm
「五感」を通して感じること
美術表現を視覚だけに限定せず、聴覚・触覚・嗅覚など、われわれに与えられている五感すべてに広げて考えてみるとき、"見ている"と思っているものは、単に目の前にある物体や現象そのものではなく、実際はそれが五感を通して脳に認識され、知覚されたときに脳裏に広がるヴィジュアル・イメージであることに気づきます。目の前のイメージが既に自分の中にある記憶や体験と結びつくとき、イメージはさらに喚起され、一枚の絵から、時には鳥肌がたつほどの強烈な印象を受けることもあるでしょう。逆に、これまで見たことのないもの、聞いたことのないものに対しては、自分の中にそれを受け入れる引き出しがないために、驚きや戸惑いを覚えるものですが、それが衝撃や感動あるいは興奮につながるのです。また、五感を通して感じようとしなければ、日常生活においても、目の前にあるのに見えていないもの、そこに音があるのに聞こえてこないもの、つまり知覚されていないものが山のようにあることも事実です。
感覚の解放、イメージのひろがり
感覚というものを普段われわれは無意識に使っていますが、その感覚、感じ方は人によってさまざまであり、どのような器にどのような尺度で受け入れるかによって異なってくるものです。五感に対する直接的な刺激が、既成の概念からの解放につながり、想像の翼が広がることで、普段、見えていないものが見えてきたり、注意を払っていなかった音が聞こえてくることでしょう。
五感のすべてを解放し、感受性を豊かに、また繊細に研ぎ澄ましていることで、イメージの世界は無限に広がります。ともすれば難解と思われている現代美術の作品を読み解き、楽しむ鍵も、見る人の中にあるイメージの世界にあるのではないでしょうか。
また、現代美術における表現の可能性を見せるための場所として新たに生まれるアートギャラリーには、作品をみせるだけのニュートラルな建物としてだけでなく、プログラムの方向性や社会に対する姿勢においても、可能な限り制約ない柔軟で開かれた態度が求められているように思います。
長期化する経済的な低迷による社会環境の不安定さのために、人々の心の余裕や自由な発想が奪われがちです。このような時期であるからこそ、なおさら、表現を通して感覚を解放し、また、想像力を刺激して、「他者」に対する理解を深めることがますます必要とされているのではないでしょうか。
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