今月初めに出てきた布で、同手の布はこれまで出品したことがありません。長年に渡る蒐集品の中で、初めて出品する布というのは、やはり珍しいのだと思います。
包みから取り出した際、明らかに木綿や絹でなく麻のように弾力のある繊維素材です。残された蒐集品リストには、「ババル島 腰布」と記載されていました。ババル島は、インドネシアのはるか東に位置する島(10枚目画像)です。この小さな島の布が一般市場に出ることは、まず無いでしょう。
大きさは、約131×49㎝です。他の出品布について調べていたら、42年前の専門書にババル諸島の似た布を見付けました。それが2枚目画像の布です。ドイツ語の解説を自動翻訳すると、女性用サロン(腰布)で、ロンタル繊維とあります。カラーではないので、色味が分かりませんが、おそらく同手の布かと思います。繊維のアップは、3、4枚目の15倍拡大画像をご覧ください。3枚目は、左端部分の画像です。使われている染料の大部分は、目に優しい天然染料だと思いますが、ババル島は、交易貿易の中継地でしたので、一部にヨーロッパから輸入された科学染料が入っているかもしれません。いずれにしても、20世紀後半の布に使われているケバケバしい科学染料の色味ではありません。
この布の製作工程は、沖縄の芭蕉布と同じで恐ろしく手間のかかるものです。まず、ロンタル椰子の葉から繊維を取り、その繊維を細く裂いて繋げて細い糸にし、更に撚り合わせて織り糸を作ります。その過程は、灰汁炊きをしたり、何度も水を替えて洗ったりして、やっと糸になるのですが、更にその糸を染めた後、絣文様を織り込んだのがこの織物です。
そうした手間以外に、この布の素晴らしい点は、織り込まれた絣(イカット)の複雑さです。5枚目以降の画像をご覧いただくと、様々なプリミティブ文様が、端から端までびっしりと織り込まれているのが分かります。専門書の布と比較してみても、この布の絣の繊細さが際立っています。この長さを製作するのに、長い時間を要し、このような複雑な絣文様を織り込むのに、とても高い技術を要したことでしょう。この布をコレクションに入れていた理由が分かります。
状態は、8、9枚目の2分割画像で、ご確認ください。目に付く傷みや補修はありません。繊維素材特有のごわごわした手触りで、長年畳んで保管していましたので、折り皺が付いています。新しい布ではございませんので、ほつれもありますので、古布にご理解の上、ご入札をお願いいたします。
絣文様が美しく、手間のかかる素材で織られた布で希少さを考慮すると、大変リーズナブルかと思います。評価してくださる方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。
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