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街道歩き4000km: 喜寿の青春賦 著者：桐原肇    平日でしたらご注文後24時間以内に発送いたします。   --- 初めての歩き旅へ 75歳の幸期幸齢者となったその日から、初めての歩き旅に出発した。 気温０℃の凛とした気の引き締まる朝。夜明けの日出を仰ぎつつ、大阪・箕面の地から、新しい人生の黄金期へと旅立つ。思えば早くして結婚し、生活に子育てに仕事に恵まれ、あっという間に人生の黄昏期となった。いろいろあった人生だが精一杯生きてきた。 だが何か物足りなさから「青春時代のやり残し症候群」と知り、学生時代に夢に描いていた事を何一つできなかった後遺症からだと気づいた。かつて「何でも見てやろう」の青春期に世界一周を夢に見て、先ず日本縦断の歩き旅を計画していた。最南端の鹿児島・佐多岬から最北端の北海道・宗谷岬までだった。人生最後にその夢のかけらを少しでも実現してみたいと思い立った。それが今回の歩き旅の原点だが、不思議なものでそれを考えていると、それまでの濡れ落ち葉から一転、歳を忘れて舞上り、心身共に生き生きと活動し始める自分に驚いた。ただ歩くだけでなく、何をしたいのか自分の興味と生き甲斐からそれをまとめた。   ＊江戸時代の参勤交代の歴史街道を大坂から江戸まで一人この足で歩いてみたい。   ＊その街道周辺の史跡や好きな城址を訪ねてみたい。   ＊もし江戸まで歩けたら千葉の孫夫婦を訪ね「ひ孫訪ねて１００万歩」を実現したい。 これを息子たちに話したら反対するだろうなと思っていたが、逆に励まされ驚いた。 「お父さんが老後の毎日を生き生きと元気に生活してくれたらそれが何より嬉しいから」と。 オットット 転ぶなよ。一歩70cmの短い足だが、果たして江戸まで歩きつけるのやら。 ---