御存知!第一期~極初期第二期ディープ・パープルの貴重なBBC音源「The BBC Sessions 1968-1970」 二枚組仕様 輸入盤中古でございます。
盤共に非常に状態の良い中古でございます。
Abbey Road StudioのかのPeter MewとNigel Reeveによるリマスターでございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは第一期~第二期の2ラインナップ。
第一期”アートロック期”、御存知!Jon Lord(Key)、御存知!Ritchie Blackmore(G)、名手Ian Paice(Ds)、Rod Evans(Vo、後にCaptain Beyond)、Nick Simper(B、Vo 後にWarhorse、Nick Simper's Fandango)、
御存知!第二期”ハードロック期”、John Lord(Key)、Ritchie Blackmore(G)、Ian Paice(Ds)、当時新加入のIan Gillan(Vo)&Roger Glover(B)となります。
CD1に第一期、1968年6月18日~1969年6月30日収録分となります。
かのヴァニラ・ファッジと比較されたオルガン中心の「アート・ロック」と呼ばれた音楽性時代の音源で、(第一期は二年程の活動に過ぎなかったに関わらず)非常に興味深い音楽変遷が聴かれます。
かのYardbirds等に代表される六十年代初期~中期のロック音楽未細分化時代から脱皮しつつある時代を反映した第一期の音楽性でございますが、
王立音楽院(中退でございますが....)出身のジョン・ロードのアカデミックさが背景に目立つもの。
ジョン・ロードのアカデミックさとは言えど理路整然とした音楽性の凝り方というもので、あくまでもロック音楽の可能性を基とするものでございます。
一発録音という事もあり、アルバムでの整った音造り等とは異なり、非常に荒々しさが伴うもの。
特にRitchie Blackmoreの演奏が顕著、Rod Evansの個性ではない”対等な対の個性のヴォーカル”を求め始めている感がございます。
但し、後の演奏スタイルとは異なる事がミソ。
Jimi Hendrixを強く意識している感が強く、案外(後にRitchie Blackmoreが嫌う)ファンキーで意欲的な演奏も聴かれるという興味深いものがございます......................................
ジョン・ロード/リッチー・ブラックモアに代表されるインスト面の個性とロッド・エヴァンスのヴォーカルに代表されるポピュラー面が、融合から棲み分け、分裂へと音楽性が向かうものでございます。
この第一期の極初期の音源に関しては(........かのDavid BowieのBBC録音作でも見受けられましたが)マスターの多くが”当時のテープの使い廻しの為”存在していない模様。
発見されたマスター以外は当時のエア・チェック音源(海賊盤?)や放送用アナログ盤等からの収録の模様でございます。
但し、ノイズ処理を随分と丁寧に行った模様で、この時代のものとしては非常に良心的な音質となっております。
リーダーのJon LordではないRod Evansがインタビューに応えている事も興味深い所でございます.........................................................................
CD2に極初期第二期、1969年8月11日~1970年9月23日収録分となります。
メンバー交代後、Ritchie Blackmore提唱後のHR路線極初期のものでございます。
かのHR時代の幕開けとなった名曲”Speed King”の極初期ヴァージョン”Ricochet”。そして後に”Kneel And Pray”と発展し”Speed King”名義の初期ヴァージョンと至った録音の楽曲完成度や
”第一期”楽曲のアレンジの変化具合等々、非常に興味深いものとなっております。
時期が時期だけに録音技術や音質が向上したものでございますが、残念ながらこちらもマスターが失われているものが多く、放送用アナログ盤や当時のエア・チェック音源も見つからなかった模様。
かのアートロック期最末期の傑作ライヴ盤”Concerto For Orchestra”収録・制作期前後の音楽性移行期の重要な録音が失われている事が非常に悔やまれるものでございますが、
収録曲名がCDブックレットに記載されており、非常に興味をそそられるものでございます。
また、Ritchie Blackmoreの演奏が第一期のJimi Hendrixを強く意識したスタイルが、ここで一気に第二期特有のスタイルへ変化している事が興味深いもの。
嘗てのファンキーさが消滅している事がミソ。
またIan Paiceの演奏も個性と技術を非常に強く出したスタイルに変化、バンドアンサンブルも個性のぶつかり合いという(HM/HR特有のみならず)当時の音楽シーン特有のアクの強いものとなっております。
CDブックレットには当時のBBCでの収録データが詳細に記述されたおり非常に貴重な資料となっておりますが、
当時のイギリス含めた音楽シーンの変化とリンクする感があり、非常に興味深いものとなっております。
それぞれスタイルが異なるとは言え、現在の「ジャム・バンド」と呼ばれるバンドに繋がる感のある音楽性でございます.......................................
この機会に是非。