
ご覧いただきありがとうございます。
レトロチョコレートのウェブサイト
『20年前のチョコレートのメニュー』の管理・運営をしています。ひろと申します。
終活の一環として、
長年収集してきたパッケージコレクション約5,000点を、
次世代のコレクターさまのお手元に届けるため、順次出品してまいります。
どうぞよろしくお願い致します。
【商品】
ロッテチョコレート
マルコポーロの旅の外箱 1個
内箱は厚紙製の自作です。
PPで包んで金の開封帯風のシールを巻いています。
チョコレートはありません。
パッケージのみの出品です。
【発売年】
1981年(昭和56年)
【コンディション】
表面印刷は非常に良いと思います。
形状は非常に良いと思います。
その他、内箱は自作手製ですので、それなりです。ご了承の上で入札をお願い致します。
【説明など】
1981年にロッテから発売された「マルコポーロの旅 アーモンドチョコレート」を、当時の姿を忠実に再現した未開封風の復元品です。内箱は当方による手製の再現で、外観は当時の雰囲気をそのまま蘇らせています。
1980年代初頭のチョコレート業界は、各メーカーがデザインの美しさと高級感を競い合う“黄金期”でした。その中でもロッテは、卓越したセンスと完成度の高いパッケージを次々に生み出し、他社を圧倒する存在でした。
本品の「マルコポーロの旅」は、同時期に発売された「マリブのさざ波」と並び、チョコレートパッケージ史上でも屈指の名デザインとして知られています。
「マルコ・ポーロの旅」というネーミングには、単なる異国風の香り付け以上の深い意図が感じられます。
マルコ・ポーロ(Marco Polo)は13世紀ヴェネツィアの商人・探検家であり、彼が辿った東方への旅は、ヨーロッパとアジアを結ぶ交易と文化交流の象徴とされています。
チョコレートやアーモンドといった素材もまた、古くから“旅する味覚”でした。カカオは中南米からヨーロッパへ、アーモンドは地中海世界を経由してアジアと往来する交易品として伝わり、東西の風土を結びつけてきた歴史を持ちます。
ロッテはこの名に、そうした「旅」「出会い」「文化の融合」という物語を重ね合わせたのではないでしょうか。
アーモンドとチョコレートという異なる世界の素材が調和するその味わいは、まさにマルコ・ポーロが見聞した“東西文明の交わり”を象徴しているとも言えます。
味覚を通して「旅をする感覚」こそ、このシリーズが訴えかけたメッセージだったのかもしれません。
パッケージ全体を包む木目調の背景は、まるで大航海時代の船の甲板を思わせます。黄金に焼けた板の質感は、太陽と潮風を浴びながら遠い異国を目指す船旅の記憶を呼び起こすかのようです。その上に広がるのは、古びた羊皮紙のような地図。緯線や航路を模した細い線が、マルコ・ポーロの辿った東方への道を暗示しているように見えます。
中央に押された円形の紋章は、まるで焼印か、あるいは長い旅の果てに押された消印のような意匠です。もし焼印であるなら、それは船乗りたちが積み荷に刻む「誇りと証」。もし消印であるなら、それは遥か彼方の異国から届いた「旅の記憶」。
いずれにしても“旅を終えた証し”としての意味が込められ、視覚的にパッケージ全体を引き締めています。
こうした構成は、単なる異国趣味の演出ではなく、アーモンドやカカオといった「遠い土地から運ばれた宝物」を象徴的に描いたものでしょう。地図の上に描かれたアーモンドは、まさに交易の果実。ロッテは「旅」という物語を通して、素材・味覚・文化を結ぶ壮大な世界観を一枚の包装紙に込めたのです。
「マルコポーロの旅」は、ロッテがデザインを“味覚の外側”まで広げようとした挑戦的な時代の象徴です。
一枚のパッケージが、旅の記憶・異国の香り・文化の交流・素材の出会いを詩のように語る——そんな時代が確かに存在しました。
この作品は、昭和のチョコレート文化が到達した「美と物語の極致」を今に伝える、稀有な記念碑的デザインです。
【送料】
出品者負担(落札者様に追加料金は発生しません)
補足:落札後に送料が予想以上にかかると感じられる方が多いようでしたので、送料はすべて出品者が負担いたします。安心してご入札ください。
【発送方法】
匿名配送(ゆうパケット)
【梱包について】
水濡れ防止・折れ防止を徹底して梱包します。
【取引に関するお願い】
大切に保管して参りましたが、経年による劣化や折れ、擦れ、ムシレなどがあります。
ノークレームノーリターンをご了承の上で入札をお願い致します。
【出品にあたっての思い】
チョコレートパッケージを大切に保存していただける方にお譲りしたいと思います。
【宣伝】
コレクションの一部は、神戸のフェリシモチョコレートパッケージミュージアムに寄託保存しています。ここは数年前にできた博物館で、日本で唯一のチョコレートパッケージ専門の博物館です。こちらの方にお越しの際は、是非ともご来場いただきたくお願いいたします。