じちらはアメリカの伝説的な詩人、ランダル・ジャレル作で盟友モーリス・センダックが絵を描いた、しかも貴重な直筆イラストサイン入り「ANIMAL FAMILY」(陸にあがった人魚のはなし)です。PANTHEONー1965年初版、カバー付き。この1965年にランダル・ジャレルは不慮の交通事故死で亡くなる。1966年の直筆サイン入り。
この本でのサイン入りは珍しく、センダックの初期サイン、しかも直筆イラストとメッセージ入りという事でかなり貴重です(イラストサインあるだけでも今では数十万円くらいはざらにします)。カバーには少しテープ痕、中は概ね良好(少しだけ汚れあるページありますが、基本的には綺麗です)。ジャレルが死んだ少し後のセンダックサインですが、この本での初期のイラストサイン入りはほとんどないのでとても貴重です。
こちらはモーリス・センダックが生前生きていた頃に関係者から(アメリカ)15年以上前(15~20年くらい前でしょうか)に譲っていただいたもの(センダックは2012年に死去)。出所は確かなもので本人(センダック)と交流あった方からも確認(本人に)してもらっていたので確かなものです。今では極めて貴重な1冊。
[The Animal Family]は邦題は「陸に上がった人魚のはなし」として知られています。ランダル・ジャレルが登場人物は想像でより読者に想いを巡らせてほしいということで絵が抜群にうまかったセンダックに敢えて描かないよう、最小限の風景の絵のみで表現され、その想いをくみ取って、イラストの絵は生命の木、木というシンプルなものですが、センダックらしいです。木のサインというのはほとんど見たことないので希少。
盟友だったランダル・ジャレルが車で交通事故死という不慮の死(実際、自殺とみられている)にあったため、この本でのサインは他の「かいじゅうたちがいるところ」などに比べると多くありませんのでそれだけでも貴重です。
日本でもミスチルのPVなどで知られる村田朋泰監督のがコマ撮りアニメーション化したことで知られている作品です。
丸太小屋で暮らしていた狩人が、冬のある日、夕暮れ時に海辺の岩陰で人魚と出会います。そして彼らはー狩人と人魚は一緒に陸の上で暮らし始める。最初、人魚には狩人がなぜ服を着るのかもわからなかった。
陸に上がり、ともに違いを認識しつつ、暮らしていたところに、こぐま、ヤマネコ、人間の少年が彼らと共に暮らし始める。彼らは互いに互いの暮らしを合わせることなく、そこでしているが(こぐまは熊なりに)、そのやりとりが奥ゆかしいです。
種族を越えた共生のともに生きるお話で、それを60年近く前に描いていたランダル・ジャレルの亡くなった年の晩年の傑作。
人魚が陸で暮らすことの良さに気づき、彼らは種族を超えた家族を築きます。ジャレルの美しい1つの世界がここにあります。その想いをついだセンダックも、彼の死後、多くの傑作残しました。その貴重なサイン入り本です。お大事にしていただければ幸いです。
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