【図録】『 現代染織の美 森口華弘・宗廣力三・志村ふくみ 』東京国立近代美術館 1985
□商品詳細
121ページ
編 集:東京国立近代美術館
発 行:日本経済新聞社
発売日:1985
サイズ:24 cm × 19 cm × 1.1 cm
【内容説明】
『 現代染織の美 森口華弘・宗廣力三・志村ふくみ 』
会期:1985年5月22日—6月30日
会場:東京国立近代美術館v
・あいさつ
昭和30年代とそれに続く数年は、わが国における工芸活動がかつてない広がりと高揚を示した時期でありました。背景にはわが国の経済が過去のどの時代の水準をも超えて、なお急速に上昇を続けたことがあるわけですが、デザインの思考が人びとの意識に入りこんで生活の中に根をおろしたのもこの時期でした。西欧の様ざまの芸術の動きを眼のあたりにする一方、固有の伝統が思いがけず新しい容貌をみせてあらわれたのも同じ時期でした。
もちろん以前から伝統的な、国風の工芸をになって長い孤独な活動を続けた工芸家達がおりました。その次の世代が30年代に新人として登場して新しい才能を開花させたわけです。
その一人が友禅の森口華弘氏であります。昭和30年第2回日本伝統工芸展に初出品をして注目を集めて以来、常に新鮮な模様を発表し続けて現代の友禅に少なからぬ刺激をもたらしその発展に寄与してきました。重要無形文化財「友禅」の保持者であります。
宗廣力三氏もその中の一人であります。紳の絣織物で活躍を続けておりますが、もともと郷土郡上八幡に手織産業を興す志に始まった仕事でした。日本伝統工芸展には第12回から発表を始めましたが、それ以前から手織産業を軌道にのせる努力の一環として個展活動を行なっておりました。多数の子弟を養成して各地にすぐれた手織文化をひろめてきました。重要無形文化財「紬縞織・絣織」の保持者であります。
志村ふくみ氏もまた光彩ある新人の一人でした。第4回日本伝統工芸展から作品の発表を始めたのですが、その翌年から連続して受賞を重ね、人びとがその作品の抗し難い魅力について語る細織の作家になりました。紬という素朴な織物にほとんど初めてといってよいほど洗練された情を表現して展覧会における組織物興隆のさきがけとなりました。
今回の展観は昭和30年代の新人がもたらした国風工芸の新風が如何なるものであったか、その時から現在に到るまで一貫して魅力あふれる個性を発揮してこられた三人の染織家の主要作品を通じて看取いただきたいと願っております。
開催にあたって、貴重な作品を快く貸与されました美術館・所蔵家の方々、またその他の面で多大のご協力を賜りました関係者各位に深く感謝申し上げます。
昭和60年5月 東京国立近代美術館長 安達健二 日本経済新聞社社長 森田康
・目次
あいさつ 安達健二,森田康
「現代染織の美一森口華弘・宗廣力三・志村ふくみ」展
昭和30年代の伝統工芸
石村速雄
図版
出品目録
友禅染,組織の技法一森口華弘・宗廣力三・志村ふくみ
作家紹介
【状態】
良好です