音色をチェックする前は、ALLOY が 50/50 という配合であることから、もしかしてギターなど楽器にも向いているのかもしれない などと思っておりました。予想は大まか外れず、好ましい結果です。良いのはわかったので、そしてここは慎重に・・・最初はボーカル中心のJAZZやブルースといったところから聴き始めました。なるほど、一聴して「明瞭・クリア・細かいニュアンスの再現力・低域のタイトさ」などが際立ちます。ECHO成分や残響音といった細かな背景音もよく浮かび上がります。

しかし、特筆すべきは、ボーカル自体が若返って聞こえる事。いや別にベテランばっかりを聴いたからそう感じているのではなく、なんというか「艶」みたいなものが それぞれ個性的な歌手の声質を活き活きとさせているのだと感じます。

モロのブルース系やブリティッシュ系のロックなどは、逆にソツなく在るがままに聴かせてくれます。特別にラウドな方向になるのではなく自然体（ロックに自然体と言う表現もなんなんですが）・等身大の演奏が繰り広げられます。基本的には明るい音色といえます。ギターの弦の張りとかが鮮明に伝わってくるのが心地良い。情報量のなせる技です！

そして、ついにクラシック・ソースに突入した途端に 事態（事象）が急変いたしました。まずはドビュッシーの極まったクローズド・ボイシングに対して、ここまで分解能力があって和音が鮮明に聞こえる事に驚きます。良いではありませんか！！オシャレなモードはよりオシャレな響きとして認識したいものです。当時のパリの空気が伝わるようで心地良い。続いて、もっとクラスター（密集和音）を多く含む楽曲をチョイス・・・うむ、納得。倍音同士の曇りがなくなっている。さすれば、マーラー辺りの大きいGroove・スケール感の交響曲はといえば、これが絶品ですね。センチメンタルでゴージャスなムードがたっぷり。ヌケも抜群です。1st Violyn、2nd Violyn、演奏のスピード感が全然違います。とても速いヴェロシティーです。

総じて、クラシック音楽においては特にハンダの存在を感じさせない程 透明感に溢れており、それが最大の特徴と言える秀逸なハンダです。流石に KESTER といったところでしょう。 オーディオの製作・ギターエフェクターの配線材などにも良いハンダですね。RCAピンケーブルの配線材、自作のアンプ用配線材、録音関係のスタジオ機材に・・少量の出品となります。お早めにお試しください。