これは楽しい! 「ピーター・ラビット」「ルパートとカエルの歌」(ポール・マッカートニーが製作したことで有名)など、
イギリスの人気アニメーションを手がけたジェフ・ダンバーが、ヤナーチェクのオペラをアニメ化。
ケント・ナガノを音楽監督に迎えて、独自のヴァージョンを作り上げました。
「エクストラ・フィーチャー」では、絵コンテやアニメ化のメイキングなど、興味深い映像を収録しています。
ヤナーチェク:
歌劇「利口な牝狐の物語」(アニメーション)
クリスティーネ・バフル(ソプラノ)
グラント・ドイル(バリトン)
ケント・ナガノ(音楽監督、指揮)
ベルリン・ドイツ交響楽団
ヤナーチェクが東洋風ともいえる輪廻思想を自然界に投影した傑作オペラ「利口な牝狐の物語」は、作曲者一流の精密な観察力に基づく自然描写が光り、人間以外の生き物を主人公とした舞台作品としては、唯一無二の完成度を誇るものです。しかし、歌劇場で歌手が動物の扮装をして演じると、滑稽を通り越してグロテスクでさえあり、音だけのレコードの方がかえって自由なファンタジーを羽ばたかせるのに好都合でした。
本来この作品はヤナーチェクが当時の新聞漫画から触発されたものであり、アニメ化することは原点回帰とも言えます。「ピーター・ラビット」や「ルパートとカエルのうた」を制作した英国を代表するアニメ作家ジェフ・ダンバーが情熱を燃やして丁寧にアニメ化したために、ディズニーや宮崎駿にも匹敵する素晴らしい仕上がりのアニメーションが出来上がりました。
「トムとジェリー」や70年代の日本アニメを思わせるやや素朴なタッチが作品の内容にふさわしく、主人公の牝狐をはじめ、蜂や蛙、鶏や犬、ネズミや穴熊といったキャラクターがとても生き生きと描かれていて、思わずメルヘンの世界に引き込まれてゆきます。もちろん、最新のデジタル画像処理技術も使われていますが、これ見よがしな使用法はされず、要所でさりげなくアクセントを加えるといった程度で、制作者の見識の高さが覗えます。水彩画風のタッチで描かれた背景は、おおらかな自然の美しさを控えめに表現し、このアニメに全体の統一感をもたらす重要な役割を果たしています。
歌唱はすべて英訳版によるものです。表情豊かなアニメの動物達を見ていると、おおよその内容は読み取れ、鑑賞には支障ないでしょう。この企画に最初から熱心に協力したケント・ナガノ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団による霊感豊かな想像力に満ちた管弦楽演奏も非常に素晴らしく、音だけを取ってもこの作品の演奏史上に残る傑作となるものでしょう。DVDならではの特典として、アングルを切り替えると全編が絵コンテとなるおまけ付きです。
■ヤナーチェク(1854-1928):
歌劇「利口な牝狐の物語」(アニメーション)
[エクストラ・フィーチャー]
利口な牝狐の物語」のアニメ化(ディレクター、ジェフ・ダンバーのアニメーション・スタジオの内幕)
インタラクティヴ絵コンテ(全編がダンバーの絵コンテによる「利口な牝狐の物語」
*本編再生中にアングルを変えることにより鑑賞することも出来ます) / アニメーションの段階(アニメーションに仕上げる各段階)(製作:2001年)
●歌・演奏
クリスティーネ・バフル(ソプラノ)
グラント・ドイル(バリトン)
ケント・ナガノ(音楽監督、指揮)ベルリン・ドイツ交響楽団
BBCシンガーズ、ニュー・ロンドン児童合唱団、他
画像構成比16:9、
音声方式:ドルビー・デジタル・ステレオ/ドルビー・デジタル・サラウンド、
演奏時間75分(オペラ:58分、エクストラ・フィーチャー:17分)、片面二層ディスク
NTSC
リージョン・オール
※普通の国内プレーヤーで再生ご鑑賞いただけます。
コンディション良好。
発送は、日本郵便クリックポスト(追跡可能)を予定しています。
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