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高級鋳物　美術工芸
南無仏太子像

寸法
高さ約　200mm
横幅約　101mm
奥行約　93mm
重さ約　1080g

付属品
箱、栞（箱には落書き有）

長期保管品になります。
詳細、状態等は画像にてご確認ください。

この聖徳太子像は、南無仏太子像ともいわれ、太子が三歳の時、東方に向い合掌して「南無仏」と唱えたという伝説の姿をうつしたことに由来する。
このような聖徳太子像は、太子信仰の昂まる平安時代後期から見られるように なり、中世にはいって太子信仰が興隆すると、絵画に彫刻にとその作例を多く見 るようになる。ちなみに、浄土寺にも乾元二年(一三〇三)院勢作の孝養像、 暦応二年(一三三九)津波居仏所の仏師幸春作の摂政像が伝来している。
南無仏太子像は、檜材の寄木造で、玉眼入りに彩色がほどこされている。上半身は裸形で緋の裳をつけ、合掌す姿につくられている。張りのある童児らしい肉取りに、簡潔な衣文構成の優作である。胎内頭部に「建武五年十月廿四日院勢作」の墨書があり、同じ胎内から出た三尊仏の印仏には、浄土寺の重修に尽力した道運。道性の名も見られ、本寺と太子信仰の関係が察せられる貴重な作品どうれんどうしよう師である。なお、作者の院勢は孝養像の作者院憲とともに、同時代の京都院派の著名な仏師である。

(昭和十一年九月十六月指定)
広島県立歴史民俗資料官

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