ヨーゼフ・シヴォー(Sivo Josef ;1931.11.26~2007.8.13)はジョルジュ・エネスコ、リカルド・オドノポゾフという伝説の巨匠の薫陶を受けたハンガリーのヴァイオリニスト。1958年のジュネーブ国際音楽コンクールで第2位を受賞、1965年からウィーン・フィルハーモニー管絃楽団のコンサートマスターを務め、1972年に退団して以降はソリストとして世界的な活動を行っていた。録音は極めて数少ないが玄人好みの名盤ばかりで、就中、巨匠ホルシュトシュタイン&スイス・ロマンドのバックを得たこのグラズノフとプロコフィエフ第1番の協奏曲集は1971年に発売されるや、ソリスト伴奏オーケストラ、そして録音の三拍子揃った隠れた名盤と高い評価を得てベストセラーとなったもの。師のオドノポゾフもグラズノフの名盤を遺しているが、豊麗だが品格ある音色と高貴な歌謡性に師弟の絆が認められるやうである。