
★素材 : シルク100% 手織り
★サイズ : 約242×332cm
(房を含まない長さです)
★ノット数 :10×10/1平方センチメートル 約100万ノット
★厚み : 6mm
★産地 : イラン・クム
★状態 : 未使用品
クムは日本では最も知名度の高い絨毯産地で宗教色の濃い町です。
クム絨毯の歴史は1930年頃からと浅く、最初はウール絨毯を、後にシルク絨毯を織るようになりました。絹の産地としても有名なクムで、現在作られるほとんどの絨毯は100%シルク製です。
歴史が浅い分、伝統的な柄にとらわれず、敏速に海外市場の動向や時代の潮流をとらえ、各産地の技術やデザインの要素を組合せて独自のデザインを作り出すなど、新しいペルシャ絨毯のスタイルを生み出したと言えます。
ペルシャの伝統美とヨーロッパの洗練された感覚が融合し、現代の住環境にもよく調和し、欧米でも非常に人気が高く、日本でも一番馴染みの深い産地です
このペルシャ絨毯は、典型的な「メダリオン・コーナー」デザインで、クラシカルかつ非常に緻密な織りの作品です。柄の特徴をいくつかの要素に分けて説明します。
1. 中央メダリオン
絨毯の中心に放射状に広がる大きな円形メダリオンがあり、星形や花びらのような細かいパターンで構成されています。中心から外へ向かってシンメトリーに広がることで、視線が自然と中央に引き寄せられるデザインになっています。
2. フィールド(絨毯中央の地)
メダリオンの周囲の地(フィールド)は、白~アイボリー系の明るい色が使われ、細かい唐草模様や花柄がびっしりと敷き詰められています。
特にローズ、ピンク、紫、緑といった色がバランスよく散りばめられており、庭園(パラダイスガーデン)のような華やかさがあります。
3. コーナー模様
四隅にはハート形に近い大きなパルメット文様が配置され、中央メダリオンと呼応する形でデザインの一体感を出しています。
この部分も非常に細かい花柄で埋め尽くされており、豪華さを引き立てています。
4. ボーダー(縁取り)
外周には複数の帯状ボーダーがあり、特に一番太いメインボーダーは濃いワインレッドを基調に、連続した花文様と蔓草文様(エスリミ)で装飾されています。
その外側と内側には、細いガードボーダーがあり、全体を引き締める効果があります。
5. カラーと印象
・ベースは明るいアイボリー系で、柄は赤・ピンク・紫・緑・金色が多用されています。
・非常に華やかで、同時に落ち着きのある雰囲気を持ち、クラシックな高級ペルシャ絨毯の典型的な配色です。
・工芸的に見ても、かなり高密度な織り(細かいノット数)が必要なデザインで、手仕事の精緻さがよく表れています。