1916-1992 西欧の広場を描いた作品で知られる洋画家・二紀会委員、大阪市生まれ、田村孝之介に師事、昭和44年に渡欧、同46年以降は平成3年まで毎年渡欧して、欧州各地、特にフランスの広場、市場の情景を主に描いて人気を博した、初期には人形や着衣の婦人像を多く描いたが、渡欧後は異国の人々の生活感と活力がみなぎる広場を主なモティーフとし、堅牢なマチエルとさざめくような色面による画面構成で、具象画界の実力派として認められていた、著書に石版画集『フランスの四季』『パリーの街角』、石版画集『素顔のパリー』等がある

児玉は昭和46年（1971年）以降、平成3年（1991年）まで毎年ヨーロッパを訪れ、現地の情景を描き続けました。また、彼の作品は異国の文化や日常の温もりを感じさせ、多くの人々に愛されています。

児玉幸雄「パリー風景」油彩 4号
本作品は、フランス・パリの広場や市場を描いた活気溢れる情景が特徴です。児玉が得意とした「堅牢なマチエール」と「さざめくような色面」を駆使し、色彩豊かで力強い筆致が、街のエネルギーや人々の日常を鮮やかに表現しています。 画面には、歴史を感じさせる建物が立ち並び、中央には市場のテントや「PHARM」の看板が見られるなど、パリの日常生活の一端が切り取られています。通りを行き交う人々の姿は、生き生きとした都市の活気を感じさせる一方、柔らかな光や調和の取れた構図が、温かみのある情緒を与えています。

児玉幸雄は、昭和44年の渡欧以降、毎年フランスを訪れ、異国の広場や市場の風景を主なモチーフとして描き続けました。その作品は、異国の人々の生活感と活力を見事に捉え、日本国内外で高い評価を得ています。この絵もまた、パリの魅力を余すことなく伝え、観る者に現地の空気感や活気を体感させてくれる一枚です。 児玉の視点を通して描かれた本作品は、パリ特有の文化と日常の温もりを見事に映し出し、観る者を街の喧騒の中へと誘います。画伯のパリ風景の名画です。