貝澤貢男氏作 アイヌ彫りイタ 二風谷
四十年ほど前に入手し使わないまま保管していたアイヌ彫りのイタ(お盆)です。
作者は貝澤貢男氏で裏に手彫でサインが刻まれ、名前の入ったシールも添付されています。
保管時の擦り傷などが表裏とも多数ありますが実際に使用したことはありません。
貝澤貢男氏はアイヌ文化の継承に力を入れてきた方でネット上で検索すると様々な情報が出てくるかと思います。
ゴールデンカムイの作者が貝澤貢男氏からメノコマキリを購入して漫画内でヒロイン・アシリパさんが使うマキリとして細かく描いたという逸話(作者のブログ参照)もあるようです。
写真にある敷物や定規等は付属しません。お送りするのはお盆だけとなります。
現実のお品の色などは画面上では異なって見える可能性がありますのでご了承ください。
価値を認めていただける方に渡ってほしいと思いこの度アップいたしました。
なお、このお品はノークレームノーリターンとなりますので画像でよくご確認されてご納得の上、入札願います。
このお盆について
二風谷地域に見られる特徴的なウロコ文様・ラムラムノカ(ウロコ・形を模したもの)が美しく彫られている二風谷イタ(伝統的工芸品)となります。
このタイプは塗りをかけられたお品も見られますが本来は塗りをしたりヤスリで磨いたりはせず、彫り込んだ状態のナチュラルなままで経年劣化するままに使っていた様です。
歴史的には安政年間の松前藩幕府献上品の中にイタがあったことが記載されており、さらに1873年(明治6年)にはウィーン万国博覧会にもイタが出展されていた様です。もちろん、この前の時代から二風谷イタは存在していたと思いますが、一説にはこのウロコ模様は和人の鞘模様がヒントだったとも言われていますので可能性としては蝦夷地で松前藩がアイヌの人々との交易独占権を持っていた1600年前後がその起源なのかもしれません。