
★素材 : シルク100%・手織り
★サイズ : 約 200×300cm
(房を含まない長さです)
★ノット数 :17×17/1平方センチメートル 約289万ノット
★厚み : 6mm
★産地 : イラン・クム
★状態 : 未使用品
この絨毯の柄は、**「シャー(太陽)モチーフ」や「ペルシャのモスク天井文様(メダリオン・ロータスデザイン)」**と呼ばれる、伝統的なペルシャ絨毯の代表的なデザインの一つです。以下に詳しく説明します。
柄の意味
この文様は中心から放射状に広がる花弁や幾何学模様によって、**「宇宙の調和」や「生命の循環」**を象徴しています。
特に中心の円(メダリオン)は太陽を表し、そこから広がる花びら状のパターンは光や生命力が全方向に広がる様子を意味します。
中心の円形(メダリオン):太陽・神の光・中心的な存在(宇宙の核)を象徴。
放射状の花弁模様:自然の秩序・成長・永遠の繁栄を表す。
青系統の背景色:平和・静寂・精神の安定を意味する伝統色。
細かい金茶・赤の模様:富と温かさ、生命力を象徴。
デザインの由来
このデザインは、イスファハン(Isfahan)やカシャーン(Kashan)地方のペルシャ絨毯に多く見られます。
モスクや宮殿の天井(ドーム)を見上げたときの「星型模様」「花びらの広がり」を地上に再現したものとも言われ、
まるで祈りの空間を足元に映したような神聖さを感じさせます。
美術的特徴
幾何学的な精密さと有機的な花模様の融合。
線が全て中心へ向かって収束し、見る者の視線を自然に引き込む設計。
一枚で「静けさと荘厳さ」を兼ね備える、典型的なクラシック・ペルシャアート。
クムは日本では最も知名度の高い絨毯産地で宗教色の濃い町です。
クム絨毯の歴史は1930年頃からと浅く、最初はウール絨毯を、後にシルク絨毯を織るようになりました。絹の産地としても有名なクムで、現在作られるほとんどの絨毯は100%シルク製です。
歴史が浅い分、伝統的な柄にとらわれず、敏速に海外市場の動向や時代の潮流をとらえ、各産地の技術やデザインの要素を組合せて独自のデザインを作り出すなど、新しいペルシャ絨毯のスタイルを生み出したと言えます。
ペルシャの伝統美とヨーロッパの洗練された感覚が融合し、現代の住環境にもよく調和し、欧米でも非常に人気が高く、日本でも一番馴染みの深い産地です