・PHST(Passive Hyper Servo技術)の大型コイル使用新型システムのペアです。
・PHSTは中音域が高能率な特性を示すビンテージスピーカーの特性を整え音質の低下が無く低音、高音がバランスよく出てくるようにする装置です。
・当工房のオリジナル開発品です。
・「低音がでない」とあきらめて倉庫に眠っていたビンテージスピーカーがよみがえり現代的な音に変身します。
・4~12Ωのインピーダンスを持つビンテージシステム用のPHSTです。
・おかげさまで多くのマニアの方に使用いただき、貴重なご意見をいただくことが出来ました。
・改善点を検討し、新たな回路で汎用的に様々なビンテージスピーカーに対応できる調整機能などを新たに組み込みました。
・改善内容、経緯の詳細は下記を参照ください。
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/38124674.html
・画像3は接続方法です。
・アンプからのスピーカー出力ケーブルに挿入するだけです。
進化経緯を簡単に記載します。
(1)改善を要した課題:
1)抵抗固定型の場合
・スピーカーインピーダンスの違いにより中音の減衰量が変化する。
・つまりインピーダンスが小さいスピーカー(2~5Ω)だと減衰が大きくなりすぎ、中音の能率が下がり過ぎる。
・一方、インピーダンスが大きいスピーカー(8~16Ω)だと減衰量が小さく高価が小さい。
2)*可変抵抗型(100Ωバリオーム)
・変化が急で最適ポイントが設定しにくい
・減衰量の目安が無い
(2)改善内容:
・画像4が新型回路です。
・16Ω程度の巻き線抵抗型バリオームは価格も高くサイズも大きく使用しにくいので新回路で0~10Ωを変化できるように変更しました。
・この結果使用するスピーカーのインピーダンスに応じて設定できる様になりました。
*****具体的な改善・新規機能*****
・画像1の通り、大型コイルを使用し、可変抵抗器(VR1)を新設し、パラに10Ωセメント抵抗(R)を接続する
・これで0~9.99オームをスムーズに変化させることが出来る様になりました。
・ただし回路の構成により、効果はリニアには変化しないので画像2の通り目安の「目盛り」を明示しました。
・目安のインピーダンスと同じインピーダンスを有するユニットを約3dbほどレベルを低下させることができます。
・ただしスピーカーユニットの動作は複雑怪奇ですので周波数によりレベル変動は異なるのはご存じの通りです。
・さらにレベルを抑えたい場合はつまみを左に回して下さい。
・「0」目安表示に設定の場合はPHSTはスキップされアンプ出力がそのままスピーカーに入力されます。
・抑え込まれる中音の範囲は約500~7000Hz程度です。
・この帯域の強さがビンテージスピーカーの特長であるとともに低域の不足感を引き起こす場合があります。
*****効果の確認測定結果の解説******
・口径18X26cm の典型的ジャーマンビンテージフルレンジスピーカー(インピーダンスは5オーム)での実験結果を画像6,7,8に示します。
・画像6:メモリ=0 (0Ω) PHSTをスキップした結果です。500~7000Hzの再生レベルが他の帯域より大きくなっています。
・画像7:メモリ=5 (5Ω) 抵抗値の合成値が5Ωの場合です。ユニットとうまく適合しています。500~7000Hzの再生レベルが2~4db程度抑えれ全体的に平坦になっていることが分かります。
・画像8:メモリ=8 (8Ω) 抵抗値の合成値が8Ωの場合です。インピーダンスが8~12Ωのユニットでは適正な減衰量になります。
この画像例は5オームのユニットに適用した場合の例で、500~7000Hzの再生レベルが4~6db程度抑えれ中域の能率がかなり落ちてしまっています。この種の落ちついた音を好む方も居るとは思います。しかし小出力アンプでのドライブが苦しくなっています。
今回のPHSTではユニットのインピーダンスにあわせることができ、かつ中域のレベルをリスナーの好みに合わせることが出来ます。