当出品物は、数あるスタックスの歴代モデルの中でも、際立って高音質と感じることから
イヤースピーカーの大傑作と認識しており、すごぶるお気に入りですから、複数所有しております。
この度、出品するお品は 発音体/電極とヘッドアーク部は オリジナルですがイヤーパットやヘッドパット、出力ケーブルは 後継機種のものになっております。後継機種とは、Nova Signature / 404 Signature / 407 Signature がそれに該当しますが
パッド類とケーブルは、3つのシリーズ共、共通でございます。
ケーブルはオリジナルよりも より低い静電容量=導体間の間隔を広く取った 幅広なタイプですし
イヤーパッドは、蒸れにくい 高透湿性素材になっておりますので、厳密にはオリジナルを超えた性能と自負しております。
なので、発売当時のままのオリジナル を尊重する方々には不向きでございます。
劣化した インナースポンジは 丁寧に除去して、スタックスから取り寄せた 新品のメッシュスクリーンに張り替えてございます。
詳しくは後述しますが、世代的に新しいスタックスと 旧い時代の ヴィンテージな スタックスとでは
かなり音質的な傾向が異なりますので、時代を遡って 探求してみると、新たな発見があるかと存じます。
この機種の価値がお分かりの方、そして大切にしてくださる方へお譲りしたいと思います。
マニア・愛好家の方々は 既にご存知のように、昔のSTAXと 近年の製品とでは
音造りの方向性が異なる印象で、個人的に無視できない音質の差異があるように感じてます。
モデルチェンジ毎に振動膜/発音体ユニットが高剛性化に邁進していることで
音圧の高さや押出の強さ、低音域のボリューム感などは”幾分”勝っているものの
段々と、冷淡で硬く 、ともすると無機的な音に変革していったような印象を持っています。
スタックスのイヤースピーカーのほとんどを、一度は所有してみたことのある当方ですが
私見を述べさせていただくと、当機種は多数存在する歴代モデルのなかでも、際立って 高音質だと感じております。
「柔よく剛を制す」の如く、柔軟性に富んだフレキシブルな振動膜と、極めて導電性の高い黄金色に輝く固定電極。
これが、このころのSTAXトーンの鍵になっているのであろうと推察致します。
元来のパーツは、とうの昔に絶版になっておりますので、当オークションでもよく見かける
スタックス 修理品での「後継機種の発音体ユニット」を代用したものでは、到底この音は出せません。
それはもう、一聴して 直ぐに分かるくらいの 大きな違いがあると、個人的には感じる次第です。
当オークションでは様々なコンディションの商品が出品されておりますが、ダメージのある 残念なお品物も相当数ある印象でして
ノイズや異音が聴こえる、左右の音量が揃っていない、発音ユニットの接着不良による位置ずれやガタツキ
時間が経過すると音が歪む→音量が著しく低下、精密な発音ユニットを守るガードフィルムの破れや欠損などなど。。。
何度もハズレを引き、落胆を繰り返してきた身であるからこそ いえることでございます。