みうらじゅん監修の新字幕版(こちらも廃盤)があまりにも不評のため
こちらの旧字幕版のビデオをオススメいたします。
かつて近所のリサイクルショップでこれと同じビデオテープを
100円で手に入れたというのに、脇毛の至りで手放して以来
常日頃から後悔し続けていましたが、今年になって当時の15倍近い値段でやっと再入手。
約25年ぶりに見ましたが、当時は理解できなかったギャグ含め、始まりから終わりまで大笑い。
PLANET KUNG FU TRASHES 塵屑功夫惑星 Kung Fu JAPAN!
「一握りのYENのために(ドラゴン・イカレの鉄拳)」
(本編/ケンタッキー・フライド・ムービー) (1977) Kentucky Fried Movie
(出演:ズロース・リー(イバン・キム)、”マスタ”ボン・ソー・ハン 、監督:ジョン・ランディス)
ケンタッキー・フライド・ムービーとはそもそも 「ケンタッキー・フライド・シアター」というお笑い劇場を自主運営していたデヴィッド・ザッカー、ジェリー・ザッカー、ジム・エイブラハムズという3人の若者がハリウッド進出したコメディ映画で、短編・中篇22本を収録したオムニバス形式となっておりジョージ・レーゼンビー、ドナルト・サザーランド、スティーブン・ビショップ、といった俳優が出演している。日本でも昔はレンタルビデオ屋のコメディ棚の下のほうに埃をかぶって必ず置いてあったのが姿を消して久しく、探していたマニアも多い。今回、本国アメリカでDVD復刻、日本では渋谷で単館ロードショウ上映までされてのビデオ再発となった。
このうち本編の20~30分ほどをも占める異常に長い短編作品として収録されていたのが "A Fistful of Yen"という「燃えドラ」の傑作パロディで、日本版ではかつて「一握りのYENのために」というタイトルでドラゴンマニアの間でも伝説的な作品として知られた一本。今回はみうらじゅん氏が字幕監修した新訳のため「ドラゴン・イカレの鉄拳」という新しい日本タイトルとなっている。
主演の”ルー”を演じていた俳優はかつて”ズロース・リー”なる名前で訳されていたが、この人は実はイバン・キムという名で、悪役であるクランの“マスター”を演じたボン・ソー・ハン共々実際にカラテやマーシャル・アーツのインストラクターとして活躍しテレビにも出演してパフォーマンスを披露するなど、当時アメリカではけっこうな人気者だったらしい。名前からもわかるとうり、また本編中も怪しげな東洋の言葉で喋る場面はハングルのようでもあり、切れの良い蹴り技からしても韓国系のテコンドー・アクションだろう。
しかし今こうやって見直して見ても、その完成度の高さとコダワリには驚くばかり。「燃えドラ」のオリジナル英語セリフをそこかしこでパロディにしており、字幕が必要ないくらい「燃えドラ」を繰り返し見たマニアほど笑える箇所も倍増。オリジナルのアクションのみならずカメラ・アングルやスローモーション編集、音楽まで取り上げて細かくパロディにしている。ズロース・リーのアクションも意外なほどに本格的で、鍛え抜かれた肉体に一本ネジの抜けたようなトボけた顔が最高にオカシイ。パロディ作品としては3本の指には必ず入る傑作(笑)
「フライングハイ」「トップ・シークレット」「フライング・コップ」、そしてはたまた「殺したい女」...全世界を笑いの渦に巻き込んでいる笑激のトリオ、デビッド・ズッカー、ジム・エイブラハムズ、ジェリー・ズッカーの原点となったケッ作がこの映画だ!!ウィスコンシン州出身の三人の若者がロスへ進出し、「ケンタッキー・フライド・シアター」を開いてパロディ劇を上演。その評判が認められて脚本を書いたのがこの映画。というわけで総計22話に飛び出すそのパロディ精神の痛烈なこと!!個々の仕掛けについて触れるスペースはないが、映画好きであればあるほど笑えることは確か。まずはお腹の筋肉の準備体操をしてから、ご覧になることをお勧めしておこう。監督は今やメジャーとなってしまったジョン・ランディスで、これが「シユロック」に続く第2作。そして“モーニング・ショウ”に登場するゴリラディノ"(デ・ラウレンティス?)はメイクの天才リック・ベイカー。笑激トリオも画面に出てくるので、クレジットにもご注意のほどを。(坂口紀三和)