数あるKESTER SOLDER中、際立ってヴィンテージな音質感と懐かしいムードを漂わせる 赤缶の登場であります。・・・ジェフ・ベック ファン待望と言いますか・・・ ローズウッド系（インディアンでもブラジリアンでも）のたまらない音色を醸し出します。もちろんメイプル系でもすばらしいです。エレキ・ギターでの使用では、俄然 LPよりはストラトに適性があると言えます。ストラトにおいて言及を絞るのであれば、そのギュッとタイトになる渋みのある倍音と クリアな音像（これはKESTER全般に言えますが）,パワーを感じる太い音のエネルギー、特に残響（ストラトのスプリングが醸し出す）の表現力が見事であり、これは、この赤缶の大きな特徴でありメリットです。つまり実音のキレが「すこぶる良い！」ということですね！！

アコースティック系ピエゾ出力などのワイヤーにも良い結果です。この使用で驚くのは、知らず知らずのうちに どこか懐かしい実に「メランコリック」な気分にさせられてしまう「優しい音色」を持っていることです。ピエゾの音色自体に違和感を感じている私などにしてみれば、これは「天からのお助け」のようなアイテムです。角張ったクンクンした部分が軽減されて、マイルドで繊細な方向へシフトすると思います。エレ・ガットなどへの相性は特筆です。したがって、生のガットギターをマイク録りする際のマイクケーブルのハンダとしても効果があります。レンジを失う事無く、そしてマイルドなんですよ。

一言でいいますと、目の前に何か「あの頃？の懐かしい映像が浮かぶハンダ」とでもいいましょうか！（笑）

ロック・ソースとの相性いいですよ、これ。ベースが明らかにタイトになりライン自体がクリアになるところから始まり、他の和音楽器（ギターやエレピ、シンセなど）とのセパレーションが向上します。WURLITZER PIANOが好きな方にもたまらない音がします。ドラムス全体シンバルも含めてアタック感が強調されて迫力が少し増したように感じます。押し出しの力も秘めていますね。ハイの「シュッ」と擦れる耳障りな帯域に関してはかなり改善される方向です。そりゃマイルドって言ってるくらいだから当然ちゃ当然の事なんですが。

さすがに天下に名の轟いたKESTERということだけはあります。

使用として、ギターの内部ワイヤーの接続や、ギター用ケーブルの制作にお勧めです。 オーディオ配線系は言うまでもありませんが、プロ・オーディオや宅録用のワイヤーのハンダとして その効果は期待大です。
KESTERの中には色々あるもんですね、いやほんと。

残りあとわずか。貴重品ですので、お早めに入手されることをお勧めします。