を世界へ - Japan Auctions to the World

この本の素晴らしいところは、著者自身が数学に堪能でありながら税理士が本業で
社会常識やあまねく一般の人が興味を持つ内容をよく知っているところにある

当時、四則演算用の電卓は1000円程度で、関数電卓というと5000円は下らなかった時代に
様々な一般生活で必然的に出会うであろう問題を元に、面白く簡単に説明し
一般電卓でもできないことはないが、関数電卓だと便利（打鍵数が圧倒的に減ります）だという
証明をしつつ、読者に問題そのものの本質と考え方、解き方、由来などをやわらかく教えている

例えば、年利8.4%の20年ローンの話では
計算の一部である、月利0.7%を240ヶ月分掛け算して逆数をとれば、つまり 1 / 1.007 x 1.007 ... 240回繰り返し = 5.334244...
基本的には解答が得られるが、関数電卓を使えば
1 / 1.007 ^ 240 べき乗キーと逆数キーで、たったの9回程度の打鍵で計算が終了します
ちなみに金融電卓ではもっと簡潔に問題を解くことができます

なんとも破天荒な例ですが、計算機がなかった頃はこれも筆算やそろばんだったかと思うと
歴史の何たるかという事さえも感じずにいられなくなってしまいます

関数電卓の優位性を説きながらも、一般電卓でも不可能ではないと
統計、偏差のあたりまで四則演算と開平根（√）のみで頑張っています
さすがに、三角関数や対数関数には一般電卓で挑んでいませんが、私の考えではこれもできないことはないはずです
（前著の1000円電卓活用法にフリがあるようです）

読む人に興味を抱かせて、問題を解く方法や考え方などを
冗談を交えながらも上手く説明しているところが、この本の価値だと思います

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