フランス・OPL社製のフォカ・ユニバーサル、完動品です。直線基調のエレガントなデザインが秀逸で、1949年発売、もう75年近く経たビンテージ・カメラ。レンズは明るいOPLAREX 50mm F1.9。バヨネットマウント。
フランス唯一のライカ型カメラで、全交換レンズに距離計が連動するので「ユニバーサル」と名付けられました。独自のバヨネットマウントは1949年登場で、ライカがM3でバヨネットマウントを実現する1954年の、実に5年も前のことです。その他、以下の特徴あり:
・レンズは OPLAREX 50mm F1.9。これもライカレンズのF2.0を意識して、F1.9にしたんでしょうか。
・シャッターダイアルで、フィルム巻き上げとシャッターチャージを一緒に行う。
・裏蓋は、底蓋ごと外れる形式でバルナックライカよりフィルム装填が楽。(当時はM3はまだ無く、Ⅲcがライバル)
・スプロケットにフィルムを固定する金具を付けた(画像8上赤丸)。
・フォカのスプールは専用で、一寸お洒落。付属しています。
・裏蓋の留め金(画像6下赤丸)やアイレット(画像7下赤丸)がエレガント。これも、実用第一のドイツと異なるフランス風なのかな。
等々独創的で、単なるライカ・コピーではないですね。と言うより、ライカとは違うカメラを作りかったのでしょう。それはフランスの意地なのか、エスプリなのか、「優美なデザインと相まって、特異な存在である」とする方もいます。
付属レンズのOPLAREX 50mm F1.9は近年高価になりました。出品の製造番号は13165と5桁なので、初期のロットでしょう。75年物としては良い状態です。またFOCAのレンズは前玉が柔らかくて傷玉が多いと聞きますが、出品の前玉はキズがほとんど見られない(画像10右上)貴重品です。
<コンディション>
1.ボディー
・外観:多少の使用跡はあるが、美品に近い。アタリ、目立つキズ、腐食等なく、貼り革も良い状態。(画像ご参照)
・ファインダー:クリヤーで、キズ、ゴミ無し。二重像も明確で、∞での2重像はしっかり一致。
・巻き上げノブ:シャッターチャージとフィルム送りは、順調に作動。
・シャッター:布幕横走りフォーカルプレーン B、1~1/1000秒。速度は順調に切り替えられ、それぞれの速度で切れている様です(正確な測定ではなく、私の経験上からです)。シャッター幕も綺麗。(画像8)
・フィルムの巻き上げ、巻き戻し、裏蓋の開閉、正常に動作。
2.レンズ
・外観:アタリ、キズ、腐食無く、良い状態。鏡胴に少しコスレあり。(画像9)
・光学:クリヤーで、キズ、ゴミ等無し。透過光で細かなチリとクモリが少し見られる程度で、良い状態。(75年物です。)
・絞り:順調に開閉。羽も綺麗(画像10右下)
・ヘリコイド:順調に作動。
・ボディーへの取り付け、外しは順調に作動。
・鏡胴出し入れ、伸ばした後の固定も順調。固定時にゆるみ無し。
珍しいフランス製のカメラ。色々当時工夫して製作されたようです。それをエレガントにまとめるのがフランス流でしょうか。
75年近いビンテージ品ですが、保存状態も良く、更に完動品。
今見ても魅力的なFOCA、棚に置いても映えます。お手に取ってみませんか。
付属品:まだまだ綺麗な専用本革ケース、オリジナルのレンズ・フロントキャップ。(画像2、3)
くご参考>フィルム室内のスプロケットについている銀色の物(画像8上赤丸X)が、フィルム安定用のカバーです。フィルムを入れたら、このカバーできちんとはさみます。これをしっかりしないとコマ間がばらつくので要注意。また、はさみ忘れて、巻き上げ途中でノブを放すと、シャッター幕が開始位置まで戻ってしまいます。他に例を見ない、FOCAならではの面白い仕組みですね。
<お詫び:何度も撮影したので、画像の色合いが異なってしまいました。見苦しくて済みません>