
★素材 : シルク100% 手織り
★サイズ : 約 122×184cm
(房を含まない長さです)
★ノット数 :13×13/1平方センチメートル 約169万ノット
★厚み : 6mm
★産地 : イラン・クム
★状態 : 未使用品
デザインの特徴
1. メダリオン & コーナー(Medallion & Corner)構成
中央には大きな楕円形の連続パターン(メダリオン)が左右対称に配置されています。
これはクム産(Qom)シルク絨毯でよく見られるクラシックスタイルで、中央部が強調され、周囲に細かな唐草模様が広がるのが特徴です。
2. 唐草文様(アラベスク)
背景全体に金色の唐草(蔓草)模様がびっしりと描かれており、上品で豪華な雰囲気を演出しています。
唐草の中には花、葉、つぼみなどが細かく描かれ、細密画のような精緻さです。
3. 彩色
基本色は青緑(ターコイズ〜ティール系)
メダリオンの縁や花の部分にはピンク、赤、ベージュ、金糸風の色が使われており、上品かつ華やかな印象
境界のボーダー部分は濃紺に近い深い青で引き締められています
4. 左右対称・鏡像構成
全体が縦方向に完全な左右対称(鏡像)になっており、典型的なペルシャ絨毯の「庭園」をイメージさせます。
この柄のイメージ
この柄は「エスファハーンやクムのクラシックガーデンデザイン」に近いもので、
優美な庭園を上から眺めたような構図になっています。
複雑な唐草は「永遠」「繁栄」を象徴し、中央メダリオンは「宇宙や天」を表現するとも言われます。
まとめ
デザインタイプ: メダリオン&コーナー、唐草(アラベスク)密集柄
産地スタイル: クム(Qom)シルク系デザインに近い
印象: 豪華で緻密、エレガント、落ち着いた青緑ベースで上品
クムは日本では最も知名度の高い絨毯産地で宗教色の濃い町です。
クム絨毯の歴史は1930年頃からと浅く、最初はウール絨毯を、後にシルク絨毯を織るようになりました。絹の産地としても有名なクムで、現在作られるほとんどの絨毯は100%シルク製です。
歴史が浅い分、伝統的な柄にとらわれず、敏速に海外市場の動向や時代の潮流をとらえ、各産地の技術やデザインの要素を組合せて独自のデザインを作り出すなど、新しいペルシャ絨毯のスタイルを生み出したと言えます。
ペルシャの伝統美とヨーロッパの洗練された感覚が融合し、現代の住環境にもよく調和し、欧米でも非常に人気が高く、日本でも一番馴染みの深い産地です