希少本 易のニューサイエンス 八卦・太極図とコンピュータ 易学 貴重挿図多数
蔡恒息著
中村璋八・武田時昌訳
東方書店
1994年初版4刷
約21.8x15.8x1.6cm
ハードカバー カバー付き
モノクロ
※絶版
【内容説明】
古代のコンピュータ〈易〉に解読された宇宙(マクロコスモス)と生命(ミクロコスモス)の秘密。〔太極図〕は宇宙のホログラムである。
アインシュタインは、かつて自己の学説に冠する名称として、さまざまな語を試み、苦心のあげくに、「相対性」という単語を選び出した。
中国の「易」には、その「相対性理論」の基本的な意味がもともと存在している。
ヨーロッパよりも何千年も前のことである。もちろんヨーロッパから剽窃したわけではない。「易」の陰陽説は、相対だけではなく絶対をも包括し、「至善に止まる」ということを含意する。すなわち、現代のアインシュタインが探求した統一場理論に近似して・・・
「易」の宇宙観は、大宇宙(天体)と小宇宙(人体)の相互の間に活性的な有機的統一が存在することを、見事に証明しているのである。
太極図は、「宇宙創生図」として宇宙間の永劫の情報となるだろう。
太極図は、宇宙のホログラムである。ミクロよりマクロに至る領域において、 原子核モデル・化学原子価(共有)結合・DNA二重らせん構造・地磁場・太陽系・銀河系渦状腕などと照応している――
貴重な図表も多数収録した、大変貴重な一冊です。
【目次】小見出し・挿図も一部紹介します
第1章 序言
第2章 『易』の淵源
「易」と文明世界 宇宙と生物のホログラフィ理論 八卦の起源 河図洛書の数理構造 「易」の構成 八卦による東西の文化交流 易学の歴史 中国古代の数学理論 中国数学の歴史 中国文化の科学性 ライプニッツの中国学 中国における科学思想の萌芽 万物の本源とは 哲学の発展形態 科学の発展形態 現代科学の特色と課題
挿図:太極図 結縄文字 卍と逆卍の方陣 九宮迷宮 句股法 ライプニッツが見た六十四卦方位図(数字の書き込みはライプニッツによる)
第3章 『易』の数理論理学
易数と数学 河図洛書と蔡元定 易数の奇偶法則 八卦の論理代数 ブール代数
挿図:河図 洛書 ニ項係数三角形図 卦・爻と位取り記数法の関係 筮法の数理 物質・精神の本源としての「易」 老子の「易」解釈・宇宙観 「反」の科学 科学として蘇る「易」
第4章 新太極図
太極図 太極図の歴史 新太極図の意義
挿図:八卦太極図 伏羲六十四卦次序図 太極衍生図 伏羲六十四卦方位図 新太極図(遺伝暗号配列図) グレイ制御コード・ディスク図 水火匡廓図 三五至精図
第5章 『易』コンピュータと遺伝暗号のコード化
分子生物学の飛躍 新太極図と遺伝暗号 生命とは何か 生命の起源 遺伝暗号のコード化
挿図:太極時計振子図 遺伝暗号行列表 遺伝暗号卦コード表 遺伝暗号ピアノ振幅コード図 DNAの塩基の対合状態
第6章 『易』と中国医学
中国医学の課題 遺伝暗号の三原則 シナジェティクスと秩序化 生命のホログラフィ理論 太極時計とファジィ数学 気功の科学 人体の情報伝達プロセス 中国医学のこれから
挿図:アミノ酸 人体五行図 子午流注と霊亀八法 自律神経系統 大脳両半円の機能定位図 大脳太極形態形成場
第7章 太極核質図
太極核質図の構造 太極核質図のトポロジー 宇宙と生物の進化論 特異点のカタストロフィー理論 大脳太極形態形成場と超能力 遺伝情報の解明をめざして
挿図:セントラル・ドグマ 細胞分裂図 文王後天図 伏羲先天図 太極核質図 太極時計(遺伝暗号卦コード表による) DNAと魔法陣の位相写像図 耳穴図
第8章 グラフ理論・組合せ論・電子回路網と八卦
グラフ理論の歴史 DNAと八卦のグラフ理論
挿図:ケーニヒスベルクの七橋(表意図・シミュレーショングラフ) 地球一周旅行表意図(ハミルトン・グラフ 十二面体のゲーム 正十二面体) 保其寿による立体の魔法陣 太極四元図 洛書の隣接行列 四象図 六爻図 DNAとコンピュータのブール代数との相関関係表 三次元空間(八卦) 六次元空間(六十四卦) ほか
訳者あとがき
【序文より】
本書は、従来にない独創的な科学論であり、『易』の科学的世界が広大な学問領域に波及するものであることを示しているので、中国古典を学ぶ人にも、現代科学の研究をめざす人にも、或は『易』の神秘に魅せられた人にも、 大いに裨益するところがあるであろう。ご教示を頂ければ幸である。
最後に、お引受けしてから3年有余の年月を費やしてご迷惑をお掛けしたことを安井社長にお詫び申し上げると共に、ご足労頂き色々とご教示下さった編集部の方々にも感謝したい。
【著者・訳者について】刊行当時の情報です
著者略歴
蔡 恒息(ツァイ ホンシー、さい こうぞく)
動物学者として著名な蔡邦華を父にもつ。
父と祖先の蔡元定(宋代の易学の専門家)の影響を受け、『易』の科学研究に専念する。
現在、中国科学院動物研究所所属。
訳者略歴
中村 照人(なかむら しょうはち)
1926年神奈川県生まれ。
東京文理科大学文学部卒、同大学院特別研究生を経て、京都大学・大阪大学講師・中国復旦大学客員教授など歴任。
現在、駒沢大学教授。文学博士。
著書に『緯書の基礎的研究』『重修緯書研究』『五行大義』『五行大義の基礎的研究』『呂氏春秋』『給食倫理』『食経』『五行大義校注』『日本陰陽道の研究』『五行大義全釈』『葉根譚』などがある。
武田 時昌(たけだ ときまさ)
1954年大阪府生まれ。
京都大学工学部・文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程中退。
現在、信州大学助教授。
中国科学思想史専攻。