11枚目のアルバムとなった本作は、1982年のグラミー賞にて最優秀ジャズフュージョンパフォーマンス賞を獲得。
また、ビル・ウィザーズ(Bill Withers)をボーカルに迎えた”Just the Two of Us”が最優秀R&Bソング賞を受賞するな
ど、グローヴァーの名を世界へ広めるきっかけとなる作品となった。ちなみにこのアルバムには、ベースの名手
マーカス・ミラー(Marcus Miller)、世界有数のドラマーであるスティーヴ・ガッド(Steve Gadd)も参加している
。彼らがリズム隊を結成している作品というだけで、興味をそそられる人も多いだろう。さて、それではグローヴ
ァー・ワシントン・ジュニアが生んだ名盤『ワインライト』(Winelight)の楽曲を紹介していこうと思う。1曲目は
、アルバムのタイトルにも選ばれた”Winelight”。グローヴァー・ワシントン・ジュニアは、「スムースジャズ創始
者の一人」とされているが、この楽曲もまさにそれを感じさせる都会的なサウンドで構成されている。作曲を行っ
たのはギタリストのウィリアム・イートン(William Eaton)で、レイ・チュー(Ray Chew)もクラビネットにて参加
。
最優秀ジャズフュージョンパフォーマンス賞にも選ばれた、インストゥルメンタルの名曲だ2曲目”Let It Flow”は、グローヴァー・ワシントン・ジュニアが作曲を行ったグルーブ感溢れるナンバー。マーカス・ミラー(Marcus Miller)が奏でるスラップ・サウンド、またそれに答えるスティーヴ・ガッド(Steve
Gadd)のドラミングも非常に心地が良い。リズム隊であれば必聴の楽曲とも言えるだろう。リチャード・ティ
ー(Richard Tee)がローズ・ピアノを演奏している"In the Name of Love"は、3曲目に収録。ここでのグローヴァ
ーはソプラノサックスにて落ち着いたサウンドを聞かせている。作曲を行ったのは、ウィリアム・ソルター
(William Salter)とラルフ・マクドナルド(Ralph MacDonald4曲目"Take Me There"で聴くことのできるグルーブ
感溢れるサウンドは、さすがマーカスとスティーヴといったところだ。
もちろん、その上を流れるグローヴァーのサックスのサウンドも忘れてはならない。作曲はグローヴァー・ワシントン・ジュニア自身が行っている。さてさて、皆様お待ちかねの"Just the Two of Us"は 、5曲目に収録。
作曲を行ったのは、ボーカルも務めているビル・ウィザーズ(Bill Withers)、そしてウィリアム・ソルターとラルフ・
マクドナルドの三名。ビルの歌声と楽曲も完璧にマッチしており、1982年には自身2度目となるグラミー賞を受賞。現在でも広く愛されている「歴史に残る名曲」だ。
| 1 | Winelight |
| 2 | Let It Flow (For 'DR., J') |
| 3 | In the Name of Love |
| 4 | Take Me There |
| 5 | Just the Two of Us |
| 6 | Make Me a Memory (Sad Samba) |