御存知!七十年代音楽性の締め・分岐点的作品 Queen 傑作「Jazz」本国リマスター紙ジャケット仕様限定盤 国内盤中古でございます。
双方共に非常に状態の良い中古でございます。
古いリマスターではございますが、2001年度本国リマスターとなります。
制作当時では最高の水準で音質決定版とも言われたもの。
オリジナル・マスターテープ使用で依ってオリジナルに即したものでございますが非常にアナログ感が有り、非常に良心的な音質となっております。
現行の最新リマスターは、当時の音響制作責任者たるかのRoy Thomas Bakerが担当というもの。
制作当時の音響政策責任者が担当というものではございますが、「時代に合わせて音を調整した」との事でリミックス感がございます。
CD等の許容範囲ぎりぎりに音を合わせた模様でございますが、現行主流のフラットマスタリング方式の感が有り情報量重視。
されど、躍動感がちと弱い感がございます。
何をか言わんや、でございます........
内容は言わずもがな。
ラインナップは不動の名手揃い。
Brian May(G、Vo)、故Freddie Mercury(Vo、P)、John Deacon(B、G、Vo)、Roger Taylor(Ds、Vo、Per、G、B)となります。
プロデュースはバンド自身とかのRoy Thomas Baker(後にOzzy Osbourne、The Cars、Journey、Yes等手掛ける)となります。
(尚、アシスタント・エンジニアとして後に末期Queenを手掛けるDavid Richardsが参加の感)
1978年7~10月スイス・Montreux”Mountain Studios”、フランス・Berre-Less-Alpes”Super Bear Studios”での制作となります。
前作”News of the World”が大好評。そしてツアーも大成功に終わり完全に成功者としての地位を固めた感のあるQueen。
暫しの休息を経て創作を開始する事となりますが、時代は七十年代後半という時期。
英国では既にパンク/ニュー・ウェイヴが台頭し全盛期を迎え、更には八十年代と言う新時代に向けてジャンルを超え様々なバンド・/ミュージシャンが音楽性を模索する時期。
今後に向けてバンド自身の音楽性の有り方と助言を求める必要性を感じ始める事となります。
Queen初期に作品制作に携わり音楽性の確立や洗練・ポピュラー化に貢献、その実績から名声を博していた名プロデューサーRoy Thomas Bakerを再び起用。
前作と同じ七月に本格制作を開始する事となります。
されど大傑作1st以降一年一作ペースに制作・ツアーを繰り返しており、全盛期で創作意欲旺盛とは言えどもバンドにはかなり疲労が加わっており、
とりわけ繊細な故Freddie Mercuryの喉のコンディション調整が難しくなってきている中、新作制作に臨む......という感がございます..........
さて今作。
従来の七十年代全盛期舞台芸術系路線を踏襲してはいるものの、故Freddie Mercuryの趣味性とポピュラー性が前面に出た感がございます。
そもそもスペイン語圏育ちで独特の早い言い回しという独自で一世一代的なヴォーカル・スタイルを持つ故Freddie Mercury。
音楽性も非常に派手やかで華麗、Queenと言っても英国ではなく、スペイン/ポルトガルではなかろうかという感がございます。
イスラム圏とキリスト教文化圏の境界線という地中海文化を国内南部に持つというスペイン/ポルトガル。その煌びやかさを感じさせる感がございます。
されどこれは”Queen”というバンド。
際物的な煌びやかさと英国ロックの持つ保守性のバランスに成り立つ音楽性ではございますが、
故Freddie Mercuryの煌びやかさとポピュラー性、そしてBrian May/John Deacon/Roger Taylorの保守性の微妙のバランスに成り立った感がございます。
今作は分岐点。
次作”The Game”で初のシンセサイザー導入が図られた事や八十年代と言う新時代に向け当時の音楽的流行を睨んだ楽曲のコンパクト化が注目を浴びる事となりますが、
今作の音楽性は七十年代全盛期Queenのそれではございますが初期の実験性が垣間見られるものの楽曲のコンパクト化が既に為されており、
そのコンパクトさが七十年代全盛期の音楽性を凝縮した感があり、その後の音楽性の変化から今作が七十年代全盛期音楽性の締めとなる感がございます。
また当時流行のディスコ・ミュージックの音楽性を既に導入した楽曲が既に存在。
当時はHR/HM、プログレ等々とジャンルを超え、八十年代と言う新時代に向け新たな音楽性を模索と言う時期。
Queenも多分に漏れず...................という感がございます........................
また前述の故Freddie Mercuryの喉のコンディションを考慮した感が有り、May/Taylorによるリード・ヴォーカルの割合は変わらないものの
故Freddie Mercuryに余り負担を掛けないヴォーカルアレンジが楽曲に為された感がございます。
制作後は今作のリリースを待たずバンドは即ツアーに臨む事となりますが、休息と治癒の間がない故Freddie Mercuryの喉のコンディションは悪化。
ツアーではキーを下げる等々の涙ぐましい工夫が為される事となります...................
今作リリース後は前作同様に非常な好評を得。
セールス/チャートアクションも大好評となりますが、一部評に音楽性の古臭さを指摘する向きがあり、バンドの今後の音楽性の有り方に影を投げ掛ける事となります....................
今作の大好評もありその中でファン待望のライヴ盤制作に向けライヴ録音が翌年1月~3月のヨーロッパ・ツアーに敢行される事となります.............................................
(正直タイミングが悪かった感がございますが、今作がバンドに取って相当な自信作という感で制作がそこから来ている感も...........................以前のツアーで録音があった事が知られておりましたが.............)
ツアー後ライヴ盤を急遽制作そしてリリースとなるも、ライヴでの(ヴォーカル含めた)再現性を含め評価は低いもの。
ファン待望のライヴ盤という事でチャートアクションやセールスは非常に高いものとなりますが、上記の評価に加えバンドの音楽性の今後の有り方に大きな波紋を投げかけるものとなります。
再び1979年6月から新作制作に勤しむものの、上記の不評から音楽性のコンパクト化とシンプル/洗練化を重視。
また七十年代全盛期の音楽性からの脱皮を図る事となり、前作で再び起用した”Roy Thomas Baker”ではなく、
かの”Musicland Studios”のハウス・エンジニアで様々な音楽性のミュージシャンの録音制作に携わり、プロデューサー独立したかの”Mack”を起用。
時代性や八十年代と言う新時代に合わせた音楽性を本格的に模索/試行錯誤する事となります....................
そして難産の末新曲たる”Crazy Little Thing Called Love”、”Another One Bite the Dust”が登場。
新たな時代へと駒を進める事となります.............................
この機会に是非。