
パイオニアがノリに乗っていた1980年代前期のアンプです。
当方、自分のオーディオ人生において、国産、舶来品、ミニワッターなどの自作品などかなりの数のアンプを使用してきましたが、一般家庭で使用するアンプに巨大なものは不必要で、かえって害悪であると確信しております。(出品のアンプは最近のものと比べれば、大きいです。)
オーディオを始めて2年目に、アルバイトで貯めたお金でYAMAHAのA2000(初期ロット、世間では名機と言われていた27kgも重量がある高級プリメインアンプ)を買いました。届いての第一印象は元気がないなぁでした。当時はオーディオ歴が浅かった為、それを大人の音なのだと納得させて使用していました。今考えれば、回路が複雑過ぎて、情報がロスしていたのではないかと考えております。当時はオーディオ歴が浅かった為、それを大人の音なのだと納得させて使用していました。もちろん、ボリュームノブを12時以上にあげて、巨大なフロアー型を鳴らすのであれば、威力を発揮するのかもしれませんが、その音量で鳴らせる環境はほとんどないのです。私のオーディオ仲間でアキュフェーズの巨大なアンプをマルチで鳴らしている方が何人かいますが、その方たちは50畳以上の部屋を持ち、あるいは襖を三部屋分開放して聴いているような人達です。大音量ではかなりの迫力ですが、すこしでもボリュームを絞ると、首を傾げたくなるような音なんです。アンプは入門機〜中堅機のアナログアンプで充分です。
今回出品するA580は1982年発売の中堅機です。
これと同一のデザインコンセプトで作られたものに、A780とA980がありますが、これらは前年に先行して発売されていますが、デザインは似ているもののこちらは全く別物のアンプと思われます。
オーストラリア・モナーシュ大学チェリー準教授(当時)が考案した多重微分帰還(Nested Feedback Loops)なるものが採用されていて、広帯域にわたって低歪率化を実現しているとのことです。これは上級機には採用されなかったもので、それ以降のパイオニア機にも採用されていないようです。どうしてなのか非常に気になるところです。何故ならこのアンプは音が良いからです。海外製の某高級オーディオメーカーのアンプの中身がパイオニアの入門機だったという話しがあります。その社長はパイオニアは音がいいから採用したんだと開き直ったと言われてますが、真偽は定かではありません。
この当時のパイオニアのアンプはどのアンプもエネルギッシュで元気が良く、低ノイズです。
A580で、響きの良いビンテージフルレンジなどを聴くと、その響きの良さはそのままに明らかに情報量が増えています。
当方の部屋のセッティングをオーディオラックから写真のウォールナットのベンチに換えてから、サイズがはみ出てしまう関係上、出番がなくなってましたが、改めて聴いてみると、このまま動かしたくなくなり、しばらくの間このアンプ固定で、スピーカーだけを交換し楽しんでいます。
ボリュームにガリがあり、電源をいれてから数秒は音が低かったり、ノイズが乗ったりしますが、聴いている時にはノイズは乗りません。
REC OUT SELECTORとTAPEは録音機材がありませんので、確認していませんが、他の機能は確認済みです。またLINE STRAIGHTをONにすると余計な機能をパスすることができます。その場合はバランスやトーンコントロールが効かなくなります。
インジケータはボリュームだけ緑色に光ります。他の電球は切れています(音には関係しません)。
現状良い音で鳴っていますが、寿命がどのくらいかはわかりません。唯一かもしれない特殊な回路搭載のアナログアンプを体験されたい方、よろしくお願いします。