ケニー・ドリューが亡くなる1年前の1992年5月20日、スイスのバーデンにあるクア劇場で収録されたライヴです。彼の死後に発売されました。2曲目の「春のごとく」が特にお気に入りです。ライヴを聴くと本当に凄い実力を持った
トリオだということが実感できると思います。技術は格別ですし、ベースのニールス・ペデルセンやドラムスのアルヴィン
・クィーンとの息もピッタリです。ケニー・ドリューのピアノはとても抒情的ですし、美しい音色が至る所で聴くことがで
きます。それでいながらジャズ魂はしっかりと持っていますし、自分達の目指す音楽を明確に描いていました4曲目のペデル
センが作曲した「サンバ・プティット」はベース・ソロがフィーチャーしてあり、これが良い雰囲気を醸し出しています。
上手いですね。ベースだけでこれだけ聴衆を魅了するなんて。終演後の拍手がその素晴らしさを物語っていました。1曲目の
「イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ」はデイヴ・ブルーベック作曲のスタンダード・ナンバーですが、ケニー・ドリュ
ーのリリシズムと見事なピアノ・タッチを聴くことができますし、ペデルセンの巧さが光ります。ニューヨークにいた頃のケニ
ー・ドリューは、その実力とは別に不遇な時代をかこっていました。新天地のヨーロッパ、それもデンマークのコペンハーゲン
に行き、このような素晴らしい演奏を数多く残してくれたのはファンにとって嬉しい限りです。ラストの「セント・トーマス」
はソニー・ロリンズが生んだ名曲です。ジャズ魂を感じさせる熱演で、全力投球で押し通すトリオの息もぴったりでした。躍動感
と浮き立つようなスウィング感が伝わってくる演奏でした。
| 1 イン・ユア・オウン・スイート・ウェイ
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| 2 イット・マイト・アズ・ウェル・ビー・スプリング
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| 3 ブルーソロジー
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| 4 サンバ・ペティティ
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| 5 イエスタデイズ
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| 6 マイ・シャイニング・アワー
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| 7 セント・トーマス |